名古屋市教委 が、複数の教員団体から校長などに推薦する名簿とともに年間200万円近い金品を受け取っていた問題で、専門家らでつくる調査検証チームが、およそ半年間にわたる調査の最終報告書を8月28日、公表しました。

 名古屋市立中学校の元校長が証言した驚きの実態。

元校長(2024年2月):
「多分封筒に入れて1万円だったと思うんですけど。陣中見舞いみたいなので」

 報告書によると、提出された推薦名簿に名前が載っていた教員は、ほかの教員に比べて昇任する割合が高くなっていたことが判明しました。

 金品を提供した団体の推薦名簿が、昇任選考で特別に有利に取り扱われた事実は確認できなかったと結論付けました。

調査検証チームの寺脇研座長:
「彼らが激励のためだとか、『本当に忙しいから大変だね』と思ってやっているというのも嘘じゃないとは思うけれども、コンプライアンス意識が欠けている」

 また、人事案を事前に市教委の元幹部に見せる「内覧」の際の飲食代や、元幹部のタクシー代などに、受け取った金品の一部が使われていたと指摘しています。内覧による人事への影響は限定的だったとしたものの、公務員の守秘義務上、問題のある行為で、極めて不適切と指摘しました。

 教員出身者のみで人事を決めていた名古屋市教委。こうした閉鎖的な環境が問題の背景にあるとして、調査検証チームは一般の行政職員との連携を深めることなどを再発防止策として提言しました。

 教育委員会の抜本的な改革を求められることになる河村市長は「名簿、お金、内覧、これと決別すると。市長の責任も重いですよ。ゼロから考え直さないかんと思いますよ」と答えています。

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