記者会見に臨む松本剛明総務相=東京都千代田区で2024年8月15日午前10時38分、藤渕志保撮影

 岸田文雄首相が9月に予定される自民党総裁選に立候補しない意向を表明したことを受け、松本剛明総務相は15日の閣議後の記者会見で「発表に驚き、大変残念に思った」と述べた。自民党議員による政治資金パーティー裏金問題を受けた退陣を「自民党が変わることを示す最初の一歩として身を退かれた。トップリーダーとして責任を取った決断だと受け止めている」と語った。

 松本氏は、岸田政権の成果として、外交に加え「ひたむきに仕事にまい進し、経済の好循環への道を開き、積年の課題である少子化対策にも正面から取り組んできた」と振り返った。

 特に、昨年5月の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)で打ち出した人工知能(AI)を巡るルールづくりの枠組み「広島AIプロセス」を日本が主導してきたと強調し、「AIは今や、生活でも経済活動でも最強のツール。国際社会の信頼を得ている岸田首相だから、世界のためにルール形成ができた」と手腕を評価した。

 裏金問題についても「自民党議員が政治資金規正法を守らずに信頼を失ったことは重く受け止めなければならない」と指摘。その上で、新総裁には「政権担当能力、政策構想力、実現力などと(ともに)、『自民党が変わる』と国民に伝わることが求められる」と話した。【藤渕志保】

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