平和記念公園で記念撮影する(左から)欧州連合(EU)のミシェル欧州理事会常任議長(EU大統領)、メローニ伊首相、トルドー加首相、マクロン仏大統領、岸田文雄首相、バイデン米大統領、ショルツ独首相、スナク英首相、EUのフォンデアライエン欧州委員長=広島市中区で2023年5月19日午後0時6分(代表撮影)

 岸田文雄首相の突然の自民党総裁選への不出馬表明は、事実上の退陣宣言で盆休み中の列島で驚きをもって受けとめられた。

 横浜市在住で広島県三原市に帰省中の会社員、兼田大輔さん(43)は「岸田首相がこのまま自民党総裁を続けても現状が良くなることはないだろう。裏金問題を解決できる立場にあったのに、責任の所在をはっきりさせないままだったのは逃げだと思う」と話した。

 岸田首相は記者会見で能登半島地震の復興などについて「最後の1日まで政策実行に当たってまいります」と述べた。地震で母と兄を亡くした石川県珠洲(すず)市宝立(ほうりゅう)町春日野の舩本(ふなもと)悦司さん(69)は倒壊を免れた自宅で生活を続ける。同じ地区では金銭面の懸念などから住宅を再建すべきか悩む人も多いという。舩本さんは「次の首相には強力なリーダーシップを発揮して復興住宅の建設を進めてほしい」と期待した。輪島市の無職女性(75)は「他の人が首相になったところであまり変わらないと思うが、一歩ずつ進めばいい」と話した。

 珠洲市三崎町寺家の漁師、蟹谷博樹さん(61)は「首相はスピード感を持ってやると言っていたが、復興は全然進んでいない。口だけだった」と話す。自身の船は津波で流され、漁を再開するために補助金を申請している。「船を買うための見積もりを出して、2カ月たっても返事がない。もっと早く対応してほしい。こちらは生活がかかっている」と憤った。【根本佳奈、古川幸奈、砂押健太】

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