北方領土の早期返還を求め、北海道根室市では8月4日、市民大会が開かれました。

 大会は根室市や元島民団体などが毎年8月に開催。ことしは約600人が「北方領土を返せ!」などとシュプレヒコールを上げました。

 ウクライナ侵攻の影響で、北方墓参やビザなし交流が中止となり、領土問題の解決に進展はありません。

元島民の切実な思い「平均年齢は88歳を超えている」

 歯舞群島の勇留島出身で、千島歯舞諸島居住者連盟根室支部の角鹿泰司支部長は「元島民の平均年齢は88歳を超えている。1日も早く返還の筋道をつける力強い外交交渉を強く求める」と国が積極的に交渉するよう求めています。

 色丹島出身の得能宏さんは「色丹島にどうしても行きたい。90歳になったが、最後までがんばりたい」と語っていました。

 市民大会には、7月末にモスクワへ訪問し、ロシア外務省に接触した鈴木宗男参院議員も出席。大会後、元島民との懇談会を開き、ロシア高官と会談した内容を説明しました。

鈴木議員「平和条約締結の声を上げて」

 鈴木議員は「日本の制裁で、2022年9月、ロシア外務省が日本外務省にビザなし交流の日ロ合意終了を伝えている」と前置きし、「1986年の北方墓参の枠組みは残っているので、墓参に行くのであればロシアのビザを取るしかないが、元島民が希望しても政府は許可しないだろう」と厳しい現状を指摘しました

 さらに鈴木議員は「元島民の平均年齢は88.5歳と時間がない。墓参の再開、領土問題の解決、平和条約の締結と声を上げていってほしい」と述べ、政府へ訴え続けるよううながしました。

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