衆院安全保障委の閉会中審査で答弁する木原防衛相(30日、国会内)=共同

木原稔防衛相は30日の衆院安全保障委員会の閉会中審査で、海上自衛隊による潜水手当の不正受給問題に関する逮捕者の未報告について「文民統制の観点から非常に問題があった」と認めた。「逮捕時に私に報告があってしかるべきだった」と語った。

立憲民主党の渡辺周元防衛副大臣の質問に答えた。

木原氏は5日に説明を受けた際、資料に注釈として記載されていたと明らかにした。「私に全く落ち度がなかったかというと一端の責任はある」と述べた。自民党の黄川田仁志氏への答弁。

2023年11月に元自衛官4人が不正受給問題で逮捕されたが、木原氏に詳細の報告がなかった。防衛省は今月12日に「特定秘密」の不適切管理や手当の不正受給などで計218人の処分を発表した際にも公表しなかった。

木原氏は一連の不祥事について「国民の信頼を損ない、防衛相としてのさまざまな監督責任を含め、深くおわび申し上げる」と謝罪した。

渡辺氏からの木原氏の辞任要求に対し「今、仕事を放棄することが責任の取り方とは思わない」と改めて辞任を否定した。

潜水艦乗組員らへの川崎重工業の金品提供問題を巡っては、元検事らが独立した立場で調査する特別防衛監察が始まった。木原氏は監察の進捗状況を踏まえて中間報告の公表を検討すると表明した。

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