国が定めた「被爆地域」の外で原爆に遭ったとして、被爆者と認められていない「被爆体験者」の問題で、早期解決を目指す県民集会が長崎市で開かれました。

集会には「被爆体験者」や高校生、長崎・広島選出の国会議員など約80人が参加しました。

被爆体験者 岩永千代子さん(88)
「今なお 広島と分断して差別した行政をやっている」「県も(長崎)市も『救済する』と言いながら私たちをある意味、愚弄してきた。私たちをだましてきた」

集会では県保険医協会の本田孝也会長が「体験者」が置かれている現状について説明しました。

「体験者」は放射性物質を含む「黒い灰」が浮いた水を飲んだり、大気中の放射性降下物を吸い込んだことなどにより、「原爆の放射線により健康被害を受けた可能性が否定できない」として、被爆者と認められるべきと訴えています。

広島ではすでに「黒い雨」を浴びた人が被爆者と認められていますが、長崎の「体験者」は対象外とされています。

山田勝彦 衆議院議員
「被爆地で国が差別することを私たちは許していいのか」

西岡秀子 衆議院議員
「長崎市の行政区域に伴って被爆地を決めた、このことに科学的な知見があったのか、ここに問題があると思っている」「政治決断しかない、この思い」

また、29日は長崎市で「体験者」と高校生たちがビラを配り、問題について知ってほしいと呼びかけました。

岩永千代子さん
「私たちが核の影響を受けているという実感を皆さんにお伝えしたい。特に若い人たち」

「被爆体験者」は8月9日に岸田総理と初めて面会することが決まっていて、総理から救済につながる発言があるのか注目されています。

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