岸田文雄首相

 「佐渡島(さど)の金山」が世界文化遺産に登録されたことを受け、岸田文雄首相は27日、「多くの皆さんが待ち望んだ喜ばしい知らせだと思います。心からのお祝いを申し上げます」との談話を発表した。

 佐渡島の金山を巡っては、政府が2022年2月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦した当初、韓国側が「かつて朝鮮半島出身者の強制労働の現場だった」として強く反発し、日韓の新たな火種になる可能性もあった。

 しかし、岸田首相は同年5月に就任した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との間で信頼関係を醸成。23年には首脳同士が相互往来する「シャトル外交」を12年ぶりに再開させるなど日韓関係を改善させた。佐渡島の金山を巡っても、実務者同士の抑制的な対応を通じて韓国側の協力を引き出した。

 首相は談話で「日本の宝から世界の宝となった『佐渡島の金山』をこれからもしっかりと守り、将来に引き継いでいけるよう、地元関係者の皆さんの取り組みを支援していきたいと思います」と強調した。【小田中大】

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