高市早苗経済安全保障相は19日の記者会見で、2023年に策定した核融合発電の国家戦略を改定する方針を表明した。8月に有識者会議を再開する。30年代の発電実証の達成に向け必要な分野の取り組みをまとめた工程表を作成し、安全確保策などを詰める。

核融合発電に関する国家戦略の改定を表明する高市早苗経済安全保障相(19日、内閣府)

現行の戦略は核融合発電の実現時期を「50年ごろ」、実証時期は「早期に明確化する」と位置づける。主要国で核融合発電に関する開発競争が激化する。早ければ30年代の実証を目指す例がある。

高市氏が7月上旬に出席したイタリアでの主要7カ国(G7)の科学技術相会合で核融合発電の国際協力が議題になったという。高市氏は「各国が熾烈(しれつ)な国際競争のなかで強力に研究開発を進め、巨額の投資を集めている」と指摘した。

自民党も5月、発電について提言をまとめた。戦略改定で実証時期を30年代と記し、工程表を官民で作成し企業の予見可能性を高めるべきだと訴えていた。

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