群馬県議会で再任案が可決され、宇留賀敬一副知事㊧に辞令を手渡した山本一太知事(17日、群馬県庁)

群馬県議会は17日、定例会の本会議で経済産業省出身の前副知事、宇留賀敬一氏を再任する人事案を自民党などの賛成多数で可決した。山本一太知事は当初、5月24日の定例会初日に人事案を提出する方針だったが、過半数を占める最大会派の自民が態度を保留したため見送っていた。

山本知事は6月12日に開かれた県議会の全員協議会で、宇留賀氏が再任されても任期を1年に限る案を提示。自民は17日朝、この案を受け入れて会派として賛成を決めた。

山本知事(左端)と宇留賀副知事の任期など確認書を交わした自民群馬県連の井下幹事長(右端)ら4会派の代表(17日、群馬県庁)

山本知事は宇留賀氏について「群馬に必要な人材。得がたいパートナー」と評価。経産省を退職して副知事に専念する意向を示した同氏の再任を県議会に求めたが、自民は同氏が現役官僚でなくなる点への懸念や、知事と議会とのコミュニケーション不足などに不満を示し、人事案への賛否を明らかにしていなかった。

本会議の閉会後、自民の井下泰伸群馬県連幹事長は記者団に対し、「いま自民は大変な逆風にさらされている。党所属の県議は一丸とならないといけない。ノーサイドにしなければ」と話した。

辞令を受け取った後、記者団の質問に答える宇留賀敬一副知事(17日、群馬県庁)

山本知事は「今回の騒ぎは知事である私の責任。慢心があった。今後は議会とのコミュニケーションをしっかりとって、物事を進めるスピードと説明のバランスをとる」と述べた。17日に再任の辞令を受け取った宇留賀副知事は記者団に「与えられた期間で知事を支え、県民のために最大限努力する」と語った。

宇留賀氏は2019年8月に38歳で副知事に就任し、23年8月に再任されて異例の5年目に入っていた。24年4月には出向元の経産省を退職して副知事に専念する意向を示し、5月21日付で副知事を退任して翌22日付でいったん同省に復帰し、退職していた。

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