静岡県の川勝知事は予定を前倒しして10日 退職届を提出しました。知事は10日の会見で退職届を前倒しして提出した理由について「県政の空白を短くするため」と説明しました。

また辞職の理由について、リニア工事をめぐりJR東海の取り組みを監視するモニタリング会議について触れ、「ひとつのメドが見えた」と答えました。リニアは“推進”の立場であると、改めて強調しました。

「県民に大変な迷惑がかかっている」

ー早期辞職について

川勝知事:
なるべく早くと思っていた。私の発言等によって県民に大変な迷惑がかかっているという自覚があったので、なるべくそれを早く止めたいと。いわゆる県政の空白を短くすると。辞職勧告決議を2年前に受けておりますので、既に退路を断っておりました。従いまして、いつでも辞任する用意があったわけですが、私のやるべき仕事は県民の皆様方に負託してもらっています。

「リニアでひとつメドが見えた」

ーリニアの開業遅れが辞職の理由?

川勝知事:
リニアの問題についての道筋が皆様方にわかる形にならないといけない。これがいわゆるモニタリング会議の第1回に、「モニタリングと事業計画は一体である」と座長が言われまして。第2回目のモニタリング会議におきまして 3月29日のことですが、冒頭の座長の質問 事業計画につきましてJR東海から「トンネル掘削に10年、ガイドウェイに2年、そして工事ヤードに3カ月、それから先進ボーリング等調査に3カ月から6カ月」という数字が出ました。

これはその日の内に私の知事室に報告が入りまして、これはこれで決まったと思いました。これから最低10年以上、きょう始めてもかかるということが分かったということで、それまで2027年以降としか数字としては出ていなかったんですけれども、これが大きくて、これで一つ目途が見えたなと思いました

「素晴らしい辞世の句」で心境を説明

ー細川ガラシャの辞世の句「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」を引用した理由は?

川勝知事:
素晴らしい辞世の句だと思います。ガラシャはキリスト信者、 カトリックですね。ですから自殺するわけにはいかないんですが、辱めを受けない為に死を決意された。死の決意の時に泣き叫ぶわけでもなく、逃げるわけでもなく「散りぬべき時 知りてこそ世の中の 花も花なれ 人も人なれ」と詠われたのは感動的です。昔から行動規範としてもっているものであります

会見での知事の主な発言をまとめました。

退職届を予定より早く出したことについて「発言で県民に迷惑をかけた早く止めて県政の空白を短くしようとした」と説明しました。

そしてリニアの開業の遅れが辞職の理由と説明していたことについて、「JR東海の取り組みを監視するモニタリング会議が設置されたことで、リニア問題にひとつのめどが見えた」と述べました。

一方で、「リニアの早期開通に対して足を引っ張ったことは一度もない」と述べ、リニア推進の立場であることを強調しました。

ー菊地さんは会見をどう見ましたか?

菊地幸夫 弁護士:
例えば裏金をつくったなどハラスメントをしたなど、何か許しがたい違法行為をしたわけではないんですよね。ただ、最近の言葉というのに社会がとても厳しい。そういう意味ではもったいないなという感じはしています。確かに訓示の一部分はいただけないですが、全体的には農産物について誇りに思うなど話をしていたので、もう少し配慮をしていれば違ったのかもしれません。

ただリニアの問題に関しては、「開業が延びたから一仕事終わった」というはやはり足を引っ張ったと言われても仕方ないのでは。本人の思いと出ている言葉の違いかもしれません。最終的にそこで失敗してしまった政治家という評価は残ってしまったのかなという気がします

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