北海道空知地方の奈井江町の猟友会がクマが出没した際の出動を辞退した問題で、町は猟友会奈井江部会への出動の依頼を断念しました。

 この問題はクマが出没した際に出動したハンターに町から支払われる報酬額などを巡り、地元の猟友会が出動を辞退したものです。

 これまでに町が提示した額は日当が8500円、発砲した場合は1万300円でした。


 猟友会側は危険な業務であるにもかかわらず額が低すぎるなどとして、5月18日付でハンターの出動を辞退するとの文書を三本英司奈井江町長に宛てに提出していました。

 道内のほかの自治体では、札幌市が1回2万5300円、捕獲・運搬した場合3万6300円となっています。

 このほか島牧村は1日2万6900円、緊急時は1.5倍の4万300円、捕獲報奨金10万円が加算されます。

 また幌加内町は2023年にクマによる人身事故が起きたことを受け、1日6800円から1万5000円に引き上げました。


 奈井江町はほかの自治体と比べて低い金額になっています。

 猟友会側の反発を受け、町は日当の増額の準備をしていましたが交渉は難航。

 三本町長は6月8日、奈井江部会に対し「額や人員的な問題も加味して今回は依頼を断念します」と伝えたということです。

 猟友会奈井江部会の山岸辰人部会長は「報酬もあげる方向と言われたが、中途半端なら対応しない。人手の問題もある。やれる人がやればいい。交渉は決裂した」と話しています。


 今後、町はこれまで通り町職員がパトロールや箱わなの設置をし、駆除が必要な場合、猟友会に属していない地元のハンターに依頼します。

 関係者によりますと、地元の一部ハンターは20数年ほど前から報酬を受け取ることなしに、ボランティアでクマの駆除対応をしているということです。

 町は他市町村の報酬を参考にこれまでボランティアで対応していたハンターに報酬を出すことも検討しているということです。

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