公害の被害者団体などが5日、環境省で伊藤信太郎大臣と面会。新潟水俣病訴訟の皆川栄一原告団長も出席し、自身の肉体的・精神的苦しみを訴えました。

毎年6月の環境月間にあわせ実施されている「全国公害被害者総行動デー」。

これに合わせ、公害の被害者団体などと面会した伊藤環境大臣は冒頭、水俣病被害者との懇談の場で発言の途中にマイクを遮断した問題について謝罪しました。

この中で、新潟水俣病第5次訴訟の原告団団長である皆川栄一さんは、伊藤大臣に対し、手足のしびれや耳鳴りなど身体的な症状を訴えました。さらに…

【新潟水俣病第5次訴訟原告団 皆川栄一団長】
「体の痛み以上に辛いことがあります。原告団長の私がマスコミに取り上げられてから長男夫婦との関係が疎遠になってしまいました。中学生だった孫の顔を見ることもできません」

精神的な苦しみを訴えた皆川さん。その上で、求めたのは、国に認定されていない被害者の救済です。

【新潟水俣病第5次訴訟原告団 皆川栄一団長】
「私たちはもはや時間がありません。国は、いたずらに訴訟を継続することなく被害者救済に向けての協議を直ちに開始することをお願いしまして、私の訴えを終わらせていただきます」

皆川さんの訴えに対し伊藤大臣は。

【伊藤環境相】
「皆川様からお聞きした体の痛みのみならず偏見にも苦しめられ家族との関係も変わってしまった」

こう触れた上で、「公害は人生を変えてしまうものだ改めて痛感した」と述べました。

7月中に新潟水俣病の被害者団体と懇談することを明言している伊藤大臣。5日の面会で具体的な救済について触れることはありませんでしたが、継続的に被害者団体との協議の場を設けていくことを約束しました。

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