政治資金規正法の改正案の採決が衆議院の特別委員会で行われ、自民党の修正案が与党と日本維新の会の賛成で可決された。

解散・総選挙、そして二階氏の復帰などについて、フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスクとお伝えする。

まず今国会での衆議院の解散について、「今回はない」という判断になる。

というのも、岸田首相には2つのもくろみがあり、それがうまくいかなかったため。

まず1つ目が、6月から始まった定額減税。
物価上昇の負担のほうが大きく、あまり減税の恩恵がなく支持率につながらなかった。

もう1つは、政治資金規正法の改正。
本来は自民党が襟を正す機会だったが、議論してみると、野党や公明党から突き上げられるような形になってしまい、自民党の本気度・主体性が見えず、支持率が上がらなかった。

この2つで支持率回復がうまくいかなかったため、今回は見送りということになった。

解散の時期については、9月の自民党総裁選挙で岸田首相が勝てば、そのあとという可能性が出てくる。

また、4日に約1カ月半ぶりに国会に復帰した二階氏について。
二階氏が本会議場に姿を現すと、菅前首相や麻生副総裁を含めた議員らが次々と歩み寄り、あいさつをしている姿がカメラに映った。

「次の選挙には出ない」と引退を示唆している二階氏だが、広い本会議場の一部に“二階詣で”とも言える形で人が集まり、影響力が感じられた。

本会議場の中なので映像から音は聞こえないが、「何を話しているか」よりも、久しぶりに来た二階氏のもとに真っ先に駆けつけることで「わたしは二階さんを心配していますよ」という姿勢を見せることが“二階詣で”の大事な目的のため、続々と人が集まっていたとみられる。

自民党の派閥はなくなったが、二階氏は求心力を持っており、「岸田首相の対抗馬になる人」もしくは「岸田首相では顔にならないと思う人」たちが集まる。
そのため二階氏はキーマンとして、今後の総裁選に向けた動きを握るといえる。

二階氏にあいさつをしていた菅元首相、麻生副総裁の動きも気になるところ。

菅元首相も非主流派、派閥に入っていない人を動かせるため、キーパーソンとなる。

麻生氏は岸田首相側の主流派だが、政治資金規正法の改正をめぐるゴタゴタがあり、“二階詣で”は、今後の動きがどうなるか、キーマンが集まったシーンだったといえる。

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