厚生労働省の専門家部会は30日、合成麻薬LSDや大麻の有害成分に似た計16物質を新たに医薬品医療機器法(薬機法)の指定薬物とすることを了承した。5月11日からこれらの物質を含む製品の販売や所持、使用が禁止される。

 指定薬物に追加されるLSDの類似物質は「1D―LSD」という名前で流通し、昨年以降、摂取後に飛び降りで死亡したり、錯乱状態で事件を起こしたりする事案が起きていた。厚労省は今年2月、1D―LSDを含む製品の製造や販売、広告を禁止。そのうえで、これらの製品の成分を調べたところ、健康被害の原因は「1T―LSD」だったことが判明。指定薬物にはこの物質を追加する。1D―LSDは成分としては検出されなかったという。

 大麻の類似物質をめぐっても「大麻グミ」などによる健康被害が昨年、相次いだ。一つの物質を規制すると別の物質が流通する「いたちごっこ」が続いており、今回は似た物質をひとくくりにした三つの「物質群」を規制対象とし、計15物質を指定薬物に追加する。(藤谷和広)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。