様々なウイルスや細菌が引き起こす「急性呼吸器感染症(ARI)」について、厚生労働省の専門家部会は18日、定点医療機関で患者報告数を把握することを了承した。季節性インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などと同じ感染症法の5類に指定し、厚労省は今年度中の開始を目指す。
ARIはインフルや新型コロナなど様々な病原体が引き起こす感染症の総称。未知の感染症の発生を迅速に把握することにもつながり、世界保健機関(WHO)がARIの疫学調査の実施を推奨していた。
すでに5類などに指定されている感染症を含む形で集計する。ARI全体の報告数と個々の感染症の割合などを把握し、新たな感染症が発生していないかの監視にもつなげる。急性の上・下気道炎(鼻炎、副鼻腔(ふくびくう)炎、気管支炎、肺炎など)の症状があれば報告の対象とする。現在約5千カ所あるインフルやコロナの定点医療機関を活用する。
18日の専門家部会で、厚労省は年度内にもARIの患者数の把握を始め、定点あたりの人口の偏りをなくすために定点医療機関を約3千カ所に整理する方針を示した。厚労省の担当者は「できる限り早く実施したい」としている。(足立菜摘)
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