札幌市豊平区の市道で登校していた小学4年の男児(当時9)をはねて死亡させたとして、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の罪に問われた同区の会社員花田光夫被告(64)の初公判が9日、札幌地裁(加島一十裁判官)であり、花田被告は「全部記憶にあるわけではないが、間違いないと思う」と起訴内容を認めた。検察側は禁錮4年を求刑し、即日結審した。

 起訴状などによると、花田被告は5月16日、持病の糖尿病を治療するためにインスリン注射を打った後、食事をとらないまま運転して意識障害に陥り、青信号に従って横断歩道を渡ろうとしていた男児をはねて死亡させたとされる。

 検察側は、花田被告が注射後に食事をとらなければ、低血糖状態による意識障害に陥る危険があることを認識していたと主張。弁護側は事実関係を争わず、執行猶予付きの判決を求めた。

 公判には、被害者参加人制度を使って男児の父親(49)も参加。「被告が医師の指導や法律を守らなかった結果、起こるべくして起きた事故だ」と意見陳述した。

 判決は8月2日に予定されている。(上保晃平)

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