新潟県三条市を拠点に、東京オリンピックに引き続きパリオリンピックへの出場を目指すカヌーの當銘孝仁(とうめたかのり)選手が、パリへの切符をかけて18日に始まるアジア選手権大会に臨みます。
「東京の後、自分自身パリだけを見つめてやって来た。絶対に何としても勝ち取りたい」
當銘選手(31歳)は、パドルひとつでカヌーを進める男子カナディアンシングルの1000mで東京オリンピックに出場し準々決勝まで進みました。
「東京五輪への出場が決まってからも、一瞬で物事が進んだりとか、自分の周りの状況に追いつけなかったりしたのかなと。そういった経験も次に生かせるのかなって思います。国と国、人と人との本気のぶつかり合いなので…」
沖縄県出身の當銘孝仁選手は、地元の伝統行事「糸満ハーレー」をきっかけにカヌーを始め、高校で本格的に競技に打ち込み、高校・大学と全国チャンピオンに。
大学卒業後の2015年に練習環境を求めて移り住んだのが、カヌーに力を入れている三条市でした。
「もちろん冬の厳しさはあるんですけど、ただ何といっても大きな川があるので、カヌーをするには新潟県はうってつけの場所」
雪国ならではの環境を生かし、昨冬には初めてクロスカントリースキーを練習に取り入れました。
新潟県三条市を拠点にパリオリンピックへの出場を目指すカヌーの當銘孝仁選手(アーネスト所属)は、競技以外でも精力的に動いてきました。
スーツを身にまとい、自ら企業訪問をしてのスポンサー探し。
遠征や競技用具、栄養管理のための資金集めに奔走してきました。
支えとなったのは、新潟県民です。
「外から来た自分を受け入れてもらったというのが、自分の心の大きな支えになった。外に出たらよりどころが大切だなと思うので、その点、本当にみんなが良くしてくれたので、こうして新潟の選手として続けたいなって思いが…」
當銘選手は感謝を胸に臨んだ3月の国内大会で見事優勝。
18日に始まるオリンピックの代表選考を兼ねるアジア選手権の出場を決めました。
「冬のトレーニングをしっかり積むことができたので、いい結果がでたのかなと」
「すべてアジア選手権大会のために…」と、アジア選手権に向けて最終調整中だという當銘選手。ここで2位に入ると、パリオリンピックの出場が決まります。
「しっかり決めたい。とりあえずは切符を何としてでも勝ち取るって思いが強いので、そこに向けてあとは全力で調整していくだけ。ここまで自分が競技ができたっていうのは、新潟県と僕に携わっていただいた新潟県民のおかげなので、その思いをすべて背負ってパリオリンピックに臨みたい」
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