持続可能な社会づくりの取り組み「SDGs」について考える「つなごう沖縄」。太平洋戦争末期の沖縄戦から今年で79年。平和について改めて学ぶ学習会をご紹介していく。

1945年。沖縄では、住民を巻き込む激しい地上戦が行われ、軍人と民間人、あわせて20万人あまりが犠牲となった。県平和祈念資料館では、おびただしい犠牲を出した沖縄戦の実相を伝える平和学習が行われている。

▽棚原和宏さん
「1日でも長く米軍を(本土を攻撃する前に)沖縄に留めおきたい。そうしている間に次の戦争の準備をする。これが沖縄戦」

真剣にメモを取り、講和に耳を傾けるのは皆、大人ばかり。これは大人を対象とした平和学習だ。

▽棚原和宏さん
「子どもたちは平和教育学ぶ機会があるが、大人が学ばないといけない。」
「最初は当時の学芸班 班長が ”大人世代にもやるべき” ということで始まって、
去年から学芸班の職員みんなでやってます」

今年で5年目になる「大人の」平和学習。戦争経験者が少なくなっている今、大人世代が平和を改めて学んで、継承していかなくてはならないと、行われている。
社会へ出ると、平和について学ぶ機会が減ってしまうからだ。

スライドショーを使った講話のあと、常設展示室の解説を聞きながら見学するトータル2時間の平和学習。2025年の2月まで毎月1回行われ、参加は無料だという。沖縄戦だけではなく、当時の世界情勢などから学んでいく。

▽棚原和宏さん
「戦争はすぐには起こらない。長い準備期間と、歴史と時代背景がある。150年さかのぼる。当時の世界は帝国主義という考え方です」


欧米列強からの解放をうたい、日本がアジア各地を侵略・進出し、一国の独立を奪っていった時代。アジア各地が戦場となった先に、沖縄戦があった。

常設展示室には、沖縄戦で使用された実物のヘルメットや砲弾などが展示され、自然の地形を利用した壕、<ガマ>を再現したエリアでは、戦争体験者から伝え聞いた証言を交えて解説していく。

▽棚原和宏さん
「日本兵が後ろで監視しているんですけど。「赤ちゃんを泣かすな」というのが
親への圧力になって、あるお母さんは自分で赤ちゃんを胸に押し当てて窒息死させた。「ごめんね、お母さんも後でいくからね」と言って、真っ暗なガマに埋めた」



「人が人でなくなる。これが戦争なんです」

▽棚原和宏さん
「戦争を知らない世代がさらに下の世代に伝えている。まずは自分たちが知ることから始めてほしいと思います」

平和学習の参加者たちはー

「伝える側として自分が活動できないかと、沖縄戦を学び、子どもたちや県外からくる方に伝えていきたい」
「中学校の図書館で働いているんですけど、そこで展示を行うので、今も世界では戦争が行われているので、戦争が身近なことを感じられるような展示にしたい」

大人が平和について学ぶこの学習プログラムは、世界の平和を目指すSDGsの目標に繋がっている。

▽棚原和宏さん
「平和に対するアプローチはいろいろあると思うので、自分が思う ”平和” を主体的に考えてほしいと思います」

「大人のための平和学習」は当然大人向けの内容になっているが、 相談があれば子どもの参加も受け入れている。「入門編」として基本的な歴史を幅広く教えていて、教師などの参加も多いという。入場料・受講料も無料だ。改めて平和について学ぶ機会として活用してほしい。

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