コンビニ越しに富士山を望む構図が外国人観光客に人気の山梨県富士河口湖町の撮影スポットで21日、眺望を遮る黒い幕が取り付けられた。観光客が殺到して住民の苦情が相次ぎ、同町が最終手段として「目隠し」設置に踏み切った。

幕は高さ2.5メートル、幅20メートルの遮光ネット。「ローソン河口湖駅前店」から車道を挟んで向かいの歯科医院前の歩道に設置された。

作業は午前8時ごろに開始。国内外の大勢の報道陣が見守る中、作業員らが7本のポールに張ったワイヤに幕をくくりつけ、3時間ほどで完了した。

富士山は雲で見えなかったが、外国人観光客の姿もあった。シンガポールから夫らと来たディアナ・ジョハリさん(24)は、オンラインの記事で幕の設置を知り「観光客がこの事態を招いたのは恥ずかしく悲しいことだと感じた」と話した。タイの女性(47)は「対策は理解できるが、他の手段はなかったのかと思う」と訴えた。

町によると、この撮影スポットは1~2年前から人気となった。歯科医院前の歩道を撮影者が占領し、ごみのポイ捨てや喫煙、危険な道路横断が頻発。警備員を配置するも効果は薄かった。

コンビニ越しに富士山を望む構図が外国人観光客に人気の撮影スポットで、眺望を遮るために設置された黒い幕=21日午前、山梨県富士河口湖町

黒幕設置前の富士山を望む構図が人気の撮影スポット=21日午前、山梨県富士河口湖町

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