子どもたちの読書離れが進む中、宮崎県都城市がある取り組みを行っています。
それが、子どもたちが、おすすめの本、いわゆる「推し本」を選び、それをひとつの冊子にまとめるという取り組みです。
子どもたちは、どんな本をおすすめしているのでしょうか。

子どもたちからたくさんの投票と熱い思いが

10月、完成した、都城版の「推し本」ブックレット。

都城市内の小学5・6年生と中高生のおすすめする本がランキング形式で紹介されています。

(都城市教育委員会生涯学習課 上原里奈さん)
「全国的に活字離れ、読書離れが懸念されていますが、都城市内の子どもたちの読書意欲を高めるために制作した。市内の子どもたちからたくさんの本の投票があり、投票と同時に熱い思いが届いた」

小学生のおすすめ1位は?

今回、小中高生から寄せられた「推し本」は、あわせて830。

その中で小学生のおすすめ1位になったのが…

(志和池小学校6年 築池芹菜さん)
「この『54字の物語』という本です」

9マス×6行の「正方形の原稿用紙」につづられた究極の短編集「54字の物語」。
短い中にも意味がわかるとゾクゾクする話が書かれています。

(志和池小学校6年 築池芹菜さん)
「1話が54文字でまとめられていて、誰にでも読みやすいと思って勧めた。最初は怖いと思わなかったが、じっくり読んでみると怖い部分が見えてきて、すごいと思った」

中高生の「推し本」1位は?

続いて中高生の「推し本」、お勧めする本の1位になったのは、映画化もされた作品、「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

中学生の女の子が戦時中の日本にタイムスリップし、特攻隊員に恋心を抱く物語です。

(都城泉が丘附属中学校2年 内田陽菜さん)
「戦争を知らない人も増えているので、そういう人が読んだら、改めて悲劇を痛感できるのではないかと思い、推し本に選んだ。最後に主人公が恋をした相手の佐久間彰の優しさがすごく丁寧に描写されていて好き」

ランク外でも"熱い思い"で推薦された「推し本」も紹介

また、ランキングには入らなかったものの、熱い思いをもって推薦した子どもたちの「推し本」も紹介されています。

都城高専の荒場 空 さんがすすめたいと熱く語るのは、雫井脩介さんの「検察側の罪人」です。

(都城高専3年 荒場 空 さん)
「検察側は起訴する側の人間のはずなのに、その人が罪人であるというタイトルのギャップに惹かれて読もうと思った。この本は映画化をされていて、どちらかというと映画を見たことがある人が多い中で、映画の中では描かれない主人公たちの黒い感情の部分が描かれているところが本でしか味わえないので、本としておすすめしたいと思った」

都城市立図書館には「推し本」コーナーが

現在、都城市立図書館には「推し本」コーナーが設けられ、冊子に掲載された本が並べられています。

(都城市教育委員会生涯学習課 上原里奈さん)
「このブックレットを活用することにより、同年代の児童生徒が勧める本に興味をもってもらい。たくさんの本を読んでほしい」

それぞれの本を愛する思いがつまった「推し本」。
読書離れが進む中で、子どもたちが本に親しむきっかけになりそうです。

※MRTテレビ「Check!」11月29日(金)放送分から

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