2019年のドラマ『初めて恋をした日に読む話』の由利匡平役で注目を集め、2025年には28歳の若さでNHK大河ドラマの主演を務めるトップ俳優・横浜流星が『日曜日の初耳学』に登場。

 林修を聞き役に、格闘技と“役を生きること”へのストイックなまでの思いを語った。また、2022年のドラマ『DCU』で共演した先輩俳優・阿部寛、高校の同級生の岩谷翔吾(THE RAMPAGE)と三原大樹、そして毎日のように連絡を取り合う仲だという映画監督・藤井道人氏が出演。それぞれから見た“人間・横浜流星”を明かした。

■「最近の目標は岡田准一と戦うこと」

 現在、NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の撮影の真っ最中だという横浜。インタビュー冒頭、「先日1話を取り終えました。4か月かかって」と明かし、「NHK作品に携わったことがないので『なぜ自分が?』とも思いましたけど…選んでいただいたからには、覚悟と責任感を持って生きられれば」と気を引き締めた。

 横浜は幼少期から極真空手に打ち込み、中学三年生の時に世界一に輝いた。「格闘技の話は止まらないと思います。この世界にいなかったら目指していた世界なので」と前のめりに語り、「最近の目標は岡田准一と戦うこと。格闘家としては、負けるかもしれないと思う相手ほど燃えるんです」ときっぱり。格闘技にすさまじい熱量で向き合っていることで知られる俳優・岡田准一へのリスペクトを滲ませた。

 そんな横浜の役作りは、かなりストイック。映画『春に散る』でボクサーを演じた際には1年かけてプロボクサーのライセンスを取得した。「素敵なボクシング映画がたくさんあるんですけど、ボクシングシーンに関しては、格闘技目線で見ると“なんだこれ”と思うこともあったので、自分がやるからにはそこは変えないと、と思って」という言葉にも強い思いがこもる。さらに、映画『線は僕を描く』では撮影の1年前から水墨画を学び、『DCU』で潜水特殊部隊を演じた際にはなんと、泳げないところからスタートしてスキューバダイビングのライセンスを取得した。

■阿部寛、いきなり大河主演の横浜に「すごい勇気があること」

 横浜が今回演じる蔦屋重三郎を映画『HOKUSAI』で演じたのが、バラエティにほとんど出ない先輩俳優・阿部寛。今回、そんな阿部が「流星のためなら」と緊急出演し、横浜について語った。

 「(蔦屋重三郎役を)よくやるな、と。俺すごく難しかったぞ、と言いましたね。めちゃくちゃ難しいですよ、あの役は。有名人ではないだけにいろんなメリハリが要求されるから。そこ挑戦したか、と思ってね」と阿部。大河ドラマ初出演にして初主演であることについても「大御所を見ながら『こういう風に作っていくんだ』と、そういうのを何作かやって身につけていくんだけど、そこをいきなり主演。彼の場合はその若さでやるって決めたんだから、それはすごい勇気があることだと思う」と称えた。

 そして、横浜と共演した際に驚いたエピソードについて「気を失うシーンで流星に『気を失ったことあるか』って聞いたら、数えきれないほどあるっていうんだよ。空手で、耐える稽古をするときに気絶するんだって。それ聞いた時、『半端じゃねえな、こいつ』と。なまじの根性じゃないんでしょうね」とも打ち明けた。

 一方、そんな阿部を横浜も尊敬のまなざしで見ている。横浜は、『DCU』で見た座長・阿部寛について「あんなに経験のある先輩でも現場で常にセリフを確認していたし、誰よりも先に現場に入って背中でみんなを引っ張って。芝居もそうだし、現場での佇まいも学びになりました」と実感込めて口にした。

■横浜、藤井道人監督は「言葉じゃ言い表せないような関係」

 番組では、そんな横浜の人物像にも迫った。プライベートをよく知る人物として登場したのが高校時代の同級生、岩谷と三原。そして、俳優人生一番の恩人・藤井監督だ。

 横浜の高校時代について、まずは三原が「球技が苦手だったり泳ぐのが苦手だったりしたんですけど、へんてこなフォームだけど投げるボールは速かったり、息継ぎがわからないから25mを(息継ぎなしで)全力で泳いでタイムはとてつもない、とか。身体能力ですべてをカバーしてました」と証言。横浜が原案、岩谷が執筆した小説「選択」を上梓した岩谷は「原稿データを渡したら毎回修正点を数千から1万字、送ってきてくれて」と“1万字の修正ラリー”が行われていたことを暴露。「原案が流星となっているんですけど、けっこう流星の血が通っています」と、横浜のストイックさが滲むエピソードを明かした。

 インタビューでは、20代前半で経験した下積み時代の苦悩についても打ち明けた横浜。そのさなかにあった8年前に知り合い、今もほぼ毎日連絡を取り合う“兄”のような存在が、藤井監督だ。

 映画『正体』(11月29日(金)公開)まで何度もタッグを組んできた2人。改めて横浜の印象を聞かれた藤井監督が「誠実さですかね、作品に対しての。作品を待ってくれている人たちのために手を抜かない。みんなができることじゃない。携帯電話を絶対現場に持ち込まない。台本も持ち込まない。ストイックな奴だなと」と語ると、横浜も「言葉じゃ言い表せないような関係だと思っています。何者でもないときから戦って、それをお互い共有し合っているので」としみじみ語り、8年来の濃密な信頼関係を滲ませた。

■阿部寛も心配…「出世が早い」横浜流星が大切にしていることとは?

 先輩俳優・阿部も「逆に心配するけども、出世が早い」と気に掛けるほどの急成長を遂げた横浜。ストイックな姿勢がたびたび話題に上るが「自分の認識としては、役作りとして必要だからやっていて、当たり前のことを当たり前にやっているだけなので…。ただ、不器用なので人一倍やらないといけないなとは思っています。それと、“役を演じるのではなく生きる”、これを大事にしています」と、立ち位置はブレない。

 同時に、人を惹きつける笑顔も彼の魅力。林に「何をしている時が落ち着きますか?」と問われると、「格闘技を見ている時、ですかね」とチャーミングな笑顔を覗かせ、インタビューを締めくくった。

(MBSテレビ「日曜日の初耳学」2024年11月24日放送より
無料見逃し配信はTVer  https://tver.jp/episodes/ephwil7bgb)

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