カメラマンが魅せられた風景
冬への準備が進む新潟県新発田市の二王子岳(にのうじだけ)。
紅葉のパノラマと山頂に泊まった人だけが出会える幻想的な景色をお送りします。
〈取材日:10月26~27日〉
二王子岳を愛する地元の皆さんと、登山道入り口にある『二王子神社』でお参りを済ませてから山頂を目指します。
【下越山岳会 坂井順一さん】
「今日の登山は、二王子の冬支度。青竹の設置と、冬期用の橋掛けを…」
「山頂は今、ちょうど紅葉が見頃」
9合目にある二王子神社の『奥の院』に続く参道にもなっている登山道は、丁寧に整備されていて、とても歩きやすいんです。
この登山道を40年以上にわたり守っている二王子岳のレジェンド・須藤洋一さんが、雪が積もると隠れてしまう危険な小川に橋を架けていました。
「これが無いと 今水が流れている所を渡らなきゃならない」
「冬、雪が降ったときに靴が濡れてしまうと、足が冷たくて登山を中止しなきゃならない。それを解消するために、もう20年にもなりますけど、橋を架けてきた」「3年前に坂井さんが、アルミブリッジを寄付してくれたので仕事が楽になった」
山頂までの標高差はおよそ1100m。
急な登りが続き、登山口から2時間でやっと5合目…。
【下越山岳会 長谷川保子さん】
「4合目からここまでが結構きついんです」
「この後は、ちょっとだけ楽になります(笑)」
途中、雨が降ってきました。
「ブナ林が雨を遮ってくれているからとてもいい感じね。紅葉もね、始まってきているし…」
冷たい雨は、7合目を過ぎると“雪まじり”になりました。
「雪降ってきましたね。まいったな…」
冬の登山ルートの15か所に、事前にあげておいた竹竿を、皆さんで設置します。
竹竿には、目立つようにテープでヒラヒラと、先端に“目印”をつけてあります。
5mほどの高さになるでしょうか。
【下越山岳会 坂井順一さん】
「真冬になると白銀の世界で、一面真っ白になるんです。二王子岳はけっこうだだっ広いんで、迷子になると悪いんで、竹竿を立てます」
「約20年くらいになるかな。下から16本上げます。一度に4本抱えて上がったこともあります」
二王子岳を愛する皆さんは、毎年手弁当で『山の冬支度』をしているのです。
「うしろ、見て下さい」
「ぉわ~ーーー、スゴイですね!」
「晴れてきたねっか」
「見えてきた」
「見える、見える…」
作業を進めているうちに、日も差しはじめた二王子岳に“紅葉のパノラマ”が広がっていました。
雨もすっかり上がり先へ進むなか、法政大学から来たワンダーフォーゲル部の一行7人とも出会いました。冬にバックカントリーをする下見に来たそうです。
「冬山は怖いので、しっかり下積みをしてから」と話していました。
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