大正5年創業。塙町にある「仲野屋」は、この場所で100年以上愛され続ける老舗菓子店です。店内のショーケースには、この日もさまざまな種類のケーキが並んでいました。

ケーキを作っているのは、4代目の渡邉雅さん。首都圏などの様々な洋菓子店で修行したのち、今から40年ほど前に父から仲野屋を引き継いだといいます。ケーキを作る工房内は、まさに老舗ならでは。

こちらの年季の入ったオーブンも。

--番組スタッフ「隣のオーブンは現役ですか?」

--渡邉雅さん(仲野屋4代目)「現役です!まだ使っていますね。かなり年数が経っているがまだまだ!」

同い年の妻・律子さんと息の合った作業で、工房の中は和やかな雰囲気に包まれていました。

--渡邉雅さん(仲野屋4代目)「(馴れ初めは)惚れちゃって。もらってくれ、もらってくれって!」

--律子さん(妻)「ありえない!」

このとき、雅さんが作っていたのはピスタチオのケーキです。

--渡邉雅さん(仲野屋4代目)「シチリア島のピスターチ(ピスタチオ)が世界最高と言われている。下がチョコレート。これがピスターチの実、フランボワーズの実ですね。上がピスターチのムースになっています。」

「個性豊か」と評判の仲野屋のケーキ。こだわりのケーキは他にも。見た目も形も違うこちらの5つケーキ。全てチーズケーキなんです。

--渡邉雅さん(仲野屋4代目)「元々私がチーズが好きだった、それだけ!」

中でも、おすすめだというのがトマトを使ったチーズケーキ。非常に珍しい一品をいただきました。

--阿部記者「トマトと柑橘系の酸味、そして濃厚なチーズの甘味の相性が抜群で、本当にここでしか味わえない味だと思います。」

地元のケーキ店として愛されてきた仲野屋ですが、創業当初からケーキを売っていたわけではなく、駄菓子や和菓子の店でした。

--渡邉雅さん(仲野屋4代目)「水郡線が後ろに通っているんですよ。(創業者の)おじいちゃんが看板を立てて、仲野屋って書いてあって源蔵豆とかようかんとか。電車で通った人が目にする、そういう売り方をしていたんです。」

そして、雅さんが店を引き継ぐときに仲野屋は、ケーキをはじめとした洋菓子店に生まれ変わります。

--渡邉雅さん(仲野屋4代目)「和菓子やればよかったのにって親父にずいぶん言われた。和菓子は私不器用だから・・フランスへのあこがれもあった。洋菓子やりたい、やりたいって!」

店を引き継いでおよそ40年。コロナや物価高など、さまざまな困難がありながらも律子さんとともに美味しいケーキを作り続けてきました。

--渡邉雅さん(仲野屋4代目)「妻の(存在が)一番大きいかな。(地元の子どもたちが)小遣いを見ながらやってくるんですよ。そうすると、『うーん、食べたいけどなあ・・・』って言うと女房が、『あといくらあるの?』って聞いて『じゃあ良いよ、まけてあげるよ!』って言って『やったー!』なんて!」

美味しいケーキと夫婦の温かな人柄で、100年続く菓子店はこれからもこの町と歩み続けていきます。

--渡邉雅さん(仲野屋4代目)「自分たちが元気でやれるだけやりたい。また塙町の皆さんの少しでも、良いお菓子屋さんになりたいと思っています」

『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2024年10月31日放送回より)

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