収穫の時期を迎えている新高梨。産地の一つ高知市針木で、食味会が開かれました。甘く育った2024年の新高梨ですが猛暑などの影響で収穫量が半減するところもあると見込まれています。

新高梨は高知県内では主に佐川町や高知市で栽培されていて、瑞々しくてたっぷりの甘い果汁が高知の秋の味覚としても知られています。

18日は高知市針木で梨の味を確かめる食味会が開かれ、針木梨組合に加盟している26軒の梨農家や市場関係者、およそ30人が集まりました。

2024年の新高梨は猛暑や小雨などの影響で全体的に小ぶりとなりましたがその分甘さが増し、糖度が13.4度と2023年よりも高くなったといいます。

(市場関係者)
「味はとてもおいしいです。かたくもやわらかくもないちょうどの食感です」
(梨農家)
「すいぶん今年は甘いなと」
「今年はちょっと暖かいから、将来も含めて心配」」

甘くできた2024年の新高梨。しかし、収穫量は2023年より減少すると見込まれています。

(池澤農園 池田和徳さん)
「今年はどうしようもない。戻らんからね、なんぼ雨が振っても戻らん」

針木で、長年に渡って新高梨を育てている池田和徳(いけだ・かずのり)さんです。新高梨を育てるには冬の冷え込みと、ほどよい日照時間、そして雨が必要ですが、2024年は暖冬に加えて9月に入っても猛暑日となる日があり、表面の色が変わる「高温障害」になった梨が多く出たといいます。

池田さんは暑さ対策として木に遮光ネットをかぶせたり、地面に水をまくなどして梨を大事に育ててきましたがおよそ半分の梨に影響が出ると見込んでいます。

(池澤農園農家 池田和徳さん)
「この木は頑張ってくれたがやけれど、頑張ったけれど、お天道様がこんなやったき、申し訳できん。来年、木も頑張るぞと多分言うてくれると思うわ。僕らが心を込めて、肥料やって剪定して来年に備えたいと思います。」

高温以外に、カメムシによる被害も出ているということです。例年およそ525トンを出荷している組合は「生産者によっては収獲が半減する可能性がある」としていますが、暑さに強い品種を新たに植えるなどして、長年愛されてきた新高梨を今後も提供し続けたいとしています。

(針木梨組合 石黒康誠 組合長)
「ものすごい高温続きで、今までかつてない状況となりました。高知市の中にありますので、皆さまのご期待に添えるような産地として、将来はもうひと頑張りしていきたい」

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