南城市にオープンしたアメリカ発の会員制大型スーパーコストコ。開店初日は多くの人で溢れ周辺道路は大渋滞に。オープンから1週間以上たった今も連日多くの人が訪れ、市内を走るコミュニティバスに遅れが出るなど市民生活にも影響が続いている。一方で周辺企業からは相乗効果を期待する声もあるー

オープン初日の早朝 ごった返す店内

先月24日、南城市にオープンしたコストコ沖縄南城倉庫店。開店を待ちわびた多くの人で賑わい、コストコに向かう道には長い車の列。800台以上ある駐車場も常に満車状態が続いた。

渋滞は開店直後に比べると落ち着いてきたものの、現在も交通量は普段よりも多い状態が続いている。その影響は市民の足にも…

▽沖縄バス南城出張所 與那嶺等所長
「1時間近く遅れていますね。50分くらい遅れている。」「渋滞の影響で?」「そうですね。抜けるのに50分くらいかかった」

南城市のコミュニティバス「Nバス」。渋滞の状況が日によって違うため対応に悩まされている。

“コストコ渋滞”に悩む南城市のコミュニティバス

▽沖縄バス南城出張所 與那嶺等所長
「(運行ルートが)1周平均60分くらいですが、それが20分から30分遅れる。ひどいときは1時間以上とか。それで次の便に間に合わないから次の便は欠便してその次の便を出す。休息時間もあるから、乗務員を休ませてまた出る。ですから6便の中の3便は欠便とかです」

Nバスは65歳以上であれば無料で利用でき、通勤・通学に利用する客も多い、地域の重要な移動手段。利用者は年々増え、昨年度の乗客は月平均1万5千人を超えている。影響は小さくない。

▽沖縄バス南城出張所 與那嶺等所長
「渋滞がずっと続くわけではありませんので、落ち着いたらNバスでまた買い物に行ったり、大いに利用してほしい。そのためにも渋滞が解消されてほしい」

沖縄バス南城出張所 與那嶺等所長

南城市は、迂回路と店舗までの所要時間を知らせる看板を市内17カ所に設置するなど対策をとっているが、交通インフラの状況は変わらず。さらなる渋滞対策が急務となっている。

▽南城市民
「こんなに南城市に人が来ることなかった、ちょっとびっくりしています。人がいっぱい来ることは全然いいかなと思いますね。今後活性化に繋がればいい」

市も看板で少しでも渋滞を緩和しようと対策

▽南城市民
「孫を迎えに与那原町(隣町)まで行くんですけど、15分から20分は早めに出ています。過疎化と言われている地域なのでこういう施設ができることはとても良いことだなとは思う反面、ちょっと騒々しいかな」

一方で周辺の企業からは新たな層の獲得に繋がると期待の声も。

▽ユインチホテル南城 井勝毅 次長
「私たちユインチホテルとしてはコストコオープンに大きな期待しかありません。南城市に新たな価値が生まれるということで、世界の方、あるいは県内外多くの方がいらっしゃり新しい層のお客様が増える期待は大きいですね」

「期待しかない」ユインチホテル南城 井勝毅 次長

コストコから車で5分ほどの距離にあるユインチホテル南城(南城市佐敷)には大型BBQ施設があり、「大容量」を特徴とするコストコとの親和性も高そう。井勝さんも“相乗効果を狙いたい”と話す。

▽ユインチホテル南城 井勝毅 次長
「キャンプ場は20区画あるので、ご家族が中心に利用していただいていますが、コストコの食材は多いので、大学のサークルだったり部活とかそういった新たなニーズで利用してもらえるかなという期待もあります」

コストコ開業で期待が高まる南部地域の活性化。経済と市民生活、そのバランスが重要となりそうだ。

あまりの人気…しばらく混雑は続きそう



<記者MEMO>
南城市は今後もコストコ側と連携して対策を講じていきたいとしています。南城市やコストコを訪れる際は、「南城市交通情報発信サイト」で検索し、出かける前に交通状況を確認してみてください。(取材 仲田紀久子)

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