最近、私たちの食卓の周りのものが様々な理由で値上がりしています。例えば食料品の買い出しに行くと、お米の品薄と値上がりに驚きますね。

これにはいろいろな原因がありますが、昨年はイネの育ちが悪くなる3つの原因があったといわれます。

それは…「猛暑」「水不足」「カメムシ」です。

さて、「猛暑」と「水不足」は何となく想像しやすいですが、カメムシと稲がどう関係するのでしょうか?

害虫駆除の専門家、東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。

米不足にカメムシが影響?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「カメムシの仲間には、私たちの大切な主食であるお米を生らせる植物・イネが大好きなものがいます」

「カメムシたちは、そのストローのような口でお米になる前の稲の実から汁を吸います」

「これからおいしいお米になるために糖やデンプンがたまっていく稲の実は、カメムシにとってごちそうです」

「田んぼの周りの雑草などで細々生活しているカメムシたちですが、8月~9月にかけての出穂(稲の実がなる時期)に甘くておいしい稲の実が出始めると、カメムシたちにとっては突然目の前に広がるバイキングのようなものです」

カメムシの大量発生が心配…

ー「カメムシ注意報(水稲・斑点米カメムシ類に関する病害虫発生予察注意報)」が出ている地域がありますね。

(大野さん)
「特に今年もカメムシの発生量が多くなっていることから、田んぼにはカメムシがいっぱいやってきて、どんどん被害が出てしまいそうだという予想になっています」

「残念ながら、こうして私たちの口に入る前にカメムシに味見をされてしまった実はキズモノになってしまい、そこの部分が傷んで茶色く変色してまだら模様になってしまうことから、斑点米と呼ばれる不良品になってしまうのです」

「毒があるわけではないのですが、斑点米が多く含まれるお米は等級が下がってしまいます、市場価値も低いため、売れなくなってしまいます」

「そんなお米が多い年は等級の高い良いお米が少なく、品薄で値上がりしてしまいます」

「これが今の米不足の一因といわれています」

どうすればカメムシから米を守れる?

(大野さん)
「そんなカメムシの被害に対して、私たちができることは残念ながらほとんどありません」

ー南海トラフ地震への関心も高まったことから、備蓄しておこうと購入する人も増えているようですね。

(大野さん)
「店舗に並んでいる白米は、精米されて1~2か月がおいしく食べられる期間の目安です。欲張ってたくさん購入しても、保管している間においしくなくなったり、害虫にやられてしまったりと残念なことになる可能性も」

「いろいろ情報を整理して、正しい知識でみんなが行動することが一番なのですが…混乱なく過ごしたいものですね」

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