高岡市で親しまれてきた老舗の公衆浴場が破産手続を開始するなど、まちなかの銭湯が廃業に追い込まれるケースが相次いでいます。憩いの場でもある銭湯を存続させようと、試行錯誤が続いています。
高岡市の中心部にある老舗の公衆浴場「松乃湯」。老朽化やスーパー銭湯との競合で利用者が激減…、さらに能登半島地震で被害を受けた建物の修繕のめどが立たず事業を停止しました。
近所の人「さみしいですわ。ないようなったら不便ですしね…」
記者「お風呂はある?」
近所の人「何ない。今そんなんで何かせんなん。ここから毎日か、2日に1回どこかに行かんなんようになってくるからね」
近年、県内では老舗銭湯の廃業が加速しています。
電気代の高騰が経営環境を圧迫する要因に…
組合によりますと、ピークの1970年代、県内に300軒以上あった銭湯は現在、44軒に。ここ数年は、毎年2、3軒のペースで廃業しているということです。
高岡市の老舗銭湯の店主で、組合の理事長を務める中谷健太郎さんは…。
富山県公衆浴場業生活衛生同業組合
中谷健太郎 理事長「やはり店主さんが高齢になられてうまく事業承継できなかった例ですとかあとはボイラー設備だとかお風呂は設備産業なんですけど一つ一つに高額なお金がかかってまして今特に物価が上がってきてまして何百万とかいってしまうので。そこまで投資してっていうので少し二の足踏まれるパターンもありますね」
中谷さんによりますと、コロナ禍前は1リットル60円台だった燃料価格は現在90円台に。高止まりの状況が続く中、拍車をかけるように電気代が高騰し経営は厳しさを増しているということです。
さらに…
スタンプラリーやサウナ整備も…
中谷さん「お客さんの中心が高齢者の方になっておりましてそれが業界の課題だと思うんですけど若い方をいかに銭湯に足を運んでいただくのが課題でしてどうしてもこのままだと先細りになってしまうので新たなお客さんの取り込みが課題で組合としても力を入れている」
組合では若い人にも銭湯の魅力を知ってもらおうと去年、加盟する県内45の銭湯と協力し、スタンプラリーを実施。あの手この手で誘客に力を入れています。
また、射水市にあるこちらの銭湯は、経営難と後継者不足で存続が危ぶまれましたが、組合の若手経営者が経営を引き継ぎことし4月リニューアルしました。
ひかりランド大門の湯 坂田信二さん「少し中を改造して今無事運営しています」
若い人たちにも足を運んでもらえるよう、既存の浴場に加え人気のバレルサウナを整備しました。
さらに、経営は20代の若手に託しました。
銭湯を知らない人にできる施策を…
ひかりランド大門の湯 山森湧斗さん「目先のことで言うならば、しっかり年配の方を満足させるところと、将来的に考えてもやっぱり今の子どもたちとか小学生とか銭湯知らない、分からないという方もいるので、その子たちにもできる施策を考えていければいいかなと思います」
坂田信二さん「なかには“やってみたい”、“銭湯が好きだ” “自分で経営をしてみたい” という方がいるので、その方に少しでもチャンスが来るように、私もいろいろアンテナを張って探したり、やれる場所もやめてく銭湯が多い中で次世代に引き継げるよう、少しでも銭湯のために協力できたらいいなと…」
時代の流れとともに数を減らす老舗銭湯。地域の憩いの場をどう残していくか。模索が続いています。
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