夏の高校野球高知大会は、25日の準決勝で高知と中村、明徳義塾と高知商業が対戦します。試合の見どころをテレビ高知野球解説者の寺尾郁夫(てらお・いくお)さんに聞きました。

106回目となった夏の高校野球高知大会。準決勝へ駒を進めたのは、3年連続で春の甲子園へ出場している高知、県立校ながらベスト4まで勝ち上がった中村、2年ぶりの夏の甲子園を目指す明徳義塾、そして、2018年以来の夏の甲子園出場を目指す高知商業です。

(遠藤弥宙アナウンサー)
「ベスト4が出そろいましたが、まず、高知高校の印象はいかがですか」

(寺尾郁夫さん)
「高知高校は、ここのところよく甲子園に出ています。それだけに、チーム力が、かなり参加校の中では高い状態です。今までの経験を生かし、順当に勝ち上がってきた、ということが言えると思います。特にエースの平悠真(たいら・ゆうま)くん、1・2回戦ともに、やや力みが見られるところがありましたが、球の力はあります」

(遠藤弥宙アナウンサー)
「そして中村高校はいかがですか?」

(寺尾郁夫さん)
「そうですね。中村高校、大活躍の公立高校のトップをいっています。ピッチャーの芝海斗(しば・かいと)くん、球威はそんなにないが、バックを信頼して投げているといいますか、ゲーム運びが非常に楽なピッチングが続いています。中村高校がここまで来たのは、芝くんの投球のおかげだと思います」

(遠藤弥宙アナウンサー)
「準決勝、第1試合の高知高校vs県立の中村高校、どんな試合が予想されますか?」

(寺尾郁夫さん)
「打力では、高知高校が上だと思うが、しっかり守っている中村高校の“善戦”というか、“1発勝負での怖さ”というか、そういったものも秘めています。そういう好ゲームを期待したいです」

(遠藤弥宙アナウンサー)
「明徳義塾、いかがですか?」

(寺尾郁夫さん)
「投手は2人ですよね。内山瑠唯(うちやま・るい)君、それに池崎安侍朗(いけざき・あんじろう)君。ともに個性のある投球をするが、もう1つ“信頼”できるところがない。内山君は球に力があるが、やや力んで、制球が、まだ彼本来のペースに戻っていないと思います。池崎君はやや球が高い。カーブは非常に良いものを持っているが、高めに浮くと、痛打されていることが多いです」

(遠藤弥宙アナウンサー)
「高知商業高校、いかがでしょう?」

(寺尾郁夫さん)
「投手は、下元理巧(しももと・りく)君、岡村宝(おかむら・たから)君。このあたりの継投になると思うが、例年に比べて、高知商業も、中心打者の打力に“迫力がない”というか、“威圧感がない”という感じはします。しばらく甲子園から遠ざかっています。“対、明徳”となったら、なかなか引き下がるわけにはいかないと思います」

(遠藤弥宙アナウンサー)
「明徳義塾vs高知商業のカードの見どころは、どこになりますか?」

(寺尾郁夫さん)
「明徳義塾は、内山瑠唯君、それに池崎安侍朗君。高知商業も、下元理巧君、岡村宝君。『継投』になると思います。その継投の“時期”もポイントになります。ただ、両チームとも、『やや打力が例年に比べて無い』というか、バットのせいもあると思うんですけどね。それだけに、しっかり『少ない点を守り切った』、そういうことができた方が、有利になると思います」

ベスト4同士の対戦となる準決勝は、7月25日に予定されています。

【寺尾郁夫(てらお・いくお)さん】
1946年10月12日生まれ。土佐高校ー慶応義塾大学ー鐘淵化学(現:カネカ)でキャッチャーとしてプレー。土佐高校時代は1964年春センバツでベスト4。慶応義塾大学時代は、当時明治大学だった故・星野仙一さんからホームランを放つ。

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