新潟市民芸術文化会館 りゅーとぴあの専属舞踊団「Noism」を追ったドキュメンタリー番組が国際的なコンクールで金賞を受賞した記念の上映会とトークショーが14日開催され、芸術総監督の金森穣さんは「新潟の風土の中で生きて、作っている舞台芸術は新潟の作品そのものであり、世界に届けたい」と語りました。

会場のりゅーとぴあ ギャラリーには、およそ100人が集まりました。
BSN新潟放送が2022年に放送したテレビ番組『劇場にて 舞踊家金森穣と新潟』はNoism Company Niigataと佐渡の太鼓芸能集団・鼓童との初競演を描いたドキュメンタリーです。先月、ヨーロッパで最大規模とされる国際映像コンペティション「ワールドメディアフェスティバル2024」でドキュメンタリー部門(Arts and Culture)の金賞を受賞しました。

14日は記念の上映会に続いて、Noismの芸術総監督であり、演出振付家の金森穣さんと番組を制作した坂井悠紀ディレクターによるトークショーが行われました。

坂井ディレクターは「今回の受賞で色々な人が番組を見てくれる事が嬉しい」と喜びを語りました。その上で、ヨーロッパの劇場について「存在価値が歴史的に明確であり、税金の何割かが充てられていて、上質な舞台芸術をみられることが当たり前」と話し、新潟市の厳しい財政事情を背景にNoismの存続が一時問題視された両国の違いを感じさせました。
また、授賞式のため先日訪れたドイツのハンブルクについて「観客の高齢化が進み、劇場に行かないことをバレエ団も認識していて、若い人向けの取組を行っている」と現地の実情に触れました。

一方金森さんは、自身がヨーロッパで活動していた経験も踏まえ「新潟から少しでも環境を変えたい。海外でキャリアを積んだら日本に帰っても見合うだけの生活保障もある、公演回数もあるようにしたい」との考えを示しました。
また、新潟の存在について「体に入っているもので理屈ではない。新潟の風土の中で生きていることが全てであって、そこで生きて舞台芸術を作っているから、新潟の作品である」と語るとともに、「同時に世界に届けたいと思っている」と強調しました。

また、金森さんは坂井ディレクターに対して「また撮影に来てくれたらよいと思う。舞踊家がどういう生き物か知ってもらいたい」としながら「僕はもう良い。次は井関佐和子が良いのでは」とパートナーの副芸術監督を指名して笑いを取るなど次回の番組制作に温かいエールを送っていました。

なお、Noism Company Niigataが20周年記念公演を開催する6月28日から30日までりゅーとぴあのギャラリーやロビーで『劇場にて』を上映する予定です。

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