和歌山県那智勝浦町の世界遺産・熊野那智大社で、毎年7月に営まれる「那智の扇祭り」を前に、神事で使う大たいまつ作りが大詰めを迎えている。作業場では、白装束に烏帽子姿の宮大工嶌崎和真さんが重さ約50キロにもなる大たいまつの仕上げに汗を流した。

 祭りは神々が年に1度、12体の扇みこしに乗り、元々まつられていた那智の滝に戻るとされる神事。氏子に担がれた12本の大たいまつが滝の前で扇みこしを迎え、勇壮な炎の乱舞を繰り広げる様子から、「火祭り」とも呼ばれる。

 大たいまつはヒノキの板を円筒状に束ねて作る。柄の部分も含めて長さ約1.4メートル。嶌崎さんは「多くの人に見てもらいたい」と話した。

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