(2日、春季近畿地区高校野球大会決勝 京都国際3―2智弁和歌山)
六回裏、仲間が本塁に駆け込んだ。その姿を見届け、京都国際の藤本陽毅さん(3年)は二塁ベースの近くで、右手を高く突き上げた。
笑顔がこぼれた。自らの一打で同点に追いついた。
決勝の相手は智弁和歌山。準決勝で16安打を放った強打のチームだ。先発の西村一毅さん(2年)が踏ん張り投手戦になった。四回まで0―0。
五回に先制を許した。その直後。2死二塁の好機に打席が回ってきたのは、主将で4番の藤本さんだった。「ここで打たないと負ける」。バットを振り抜くと、打球は左翼線へ。適時二塁打になった。
「束になってみんなで食らいつこう」。試合前、仲間を鼓舞した。その思いを込めた一振りで、相手に傾きかけた流れをぐっと引き戻した。
今春の選抜大会の1回戦で敗れた後、主将を任された。「(優勝は)言葉に表せないくらい、うれしい。でも、あくまでも通過点。甲子園で勝てるチームになりたい」(木子慎太郎、八百板一平)
■京都国際・西村一毅投手の話
とてもうれしい。(優勝の)実感はまだ、わかないです。(智弁和歌山の打者は)身体も大きく、威圧感があったので、打たれるかと心配だったが、抑えることができた。チームを勝利に導くような投手になりたい。
■京都国際・小牧憲継監督の話
お互い、我慢比べの試合を勝ちきることができた。(先発の)西村は(春の京都府大会から近畿大会まで)投げるごとに成長してくれた。夏の大会に向けて、他の投手にも出てきてほしい。打線も強化していきたい。
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