2023年の安田記念を制したソングライン=JRA提供

 デジタル報道グループの“真希バオー”こと中嶋真希記者が予想するGⅠシリーズ第11戦は、春のマイル王を決める安田記念(東京1600メートル)。香港の強豪2頭が出走。日本馬との熱い戦いが期待されます。競馬担当30年の松沢一憲記者は「このレースは、“マイル一筋”の馬で勝負するぞ」と意気込みます。

香港スターがやってくる

 今年の注目は、香港のスター2頭の出走だ。GⅠ7勝馬ロマンチックウォリアー、今年GⅠ初勝利をあげたヴォイッジバブルが香港からやってくる。ロマンチックウォリアーは、昨年秋に香港馬として初めてオーストラリアのGⅠコックスプレート(ムーニーバレー2040メートル)を勝利。そこから、破竹の勢いでGⅠを4連勝中だ。

 「香港馬が安田記念に出走するのは、2018年のウエスタンエクスプレス以来6年ぶりです。香港馬の勝利は06年のブリッシュラックが最後。08年にアルマダが2着に入った以降、馬券に絡んでいません。でも、今年の2頭は香港競馬を代表するスター。日本馬との激闘が楽しみですね」と真希バオーが言うと、「本気で勝ちに来てるよな」と師匠も声が弾む。

 しかし、師匠はロマンチックウォリアーに死角アリとみている。

 「安田記念は、リピーターが多いだろ? このレースは、マイル適性がものをいうんだ。ロマンチックウォリアーは、昨年1月のマイルGⅠ香港スチュワーズカップ(C)=シャティン1600メートル=で2着に入っているものの……。直近のGⅠ4連勝は、いずれも中距離だ。距離がカギなんだよ」

 もう一つの注目点が、牝馬の好走だ。18年から6年連続で延べ7頭が連対している。「うち6頭がヴィクトリアマイルからの臨戦ですね。今年は、ナミュールとフィアスプライドが出走しますよ」と真希バオー。

 「今年の2頭も強いことは間違いない。ただ、22、23年連覇のソングラインや、20年に勝ったグランアレグリア級かというと疑問だな。それならぼくは、“マイル一筋”の牡馬2頭にチャンスありとみて勝負する」と師匠は目を光らせた。

松沢記者の本命は……

 ◎セリフォス、○ソウルラッシュ、▲ガイアフォース、△ナミュール、△ロマンチックウォリアー、△ステラヴェローチェ

 セリフォスとソウルラッシュは、マイル戦でしのぎを削ってきた。「東京コースでは、セリフォスが一枚上だな。4カ月半ぶりの実戦となった前走マイラーズC(京都1600メートル)で1馬身4分の3差の2着。休み明けの仕上げ途上で初の道悪を思えば十分な内容だった。3歳時に安田記念に挑戦して4着、昨年は2着。三度目の正直で王者の座を射止めるぞ」

真希バオーの大胆予想

真希バオーの馬連5頭ボックス

 馬連5頭ボックス(10点×100円=1000円)

 (2)ガイアフォース

 (5)ナミュール

 (13)ステラヴェローチェ

 (17)セリフォス

 (18)ダノンスコーピオン

 ジャスティンミラノとのコンビで初の日本ダービー(東京2400メートル)制覇が期待された戸崎圭太騎手だったが、結果は2着。3歳の頂点に立ったのは、横山典弘騎手のダノンデサイルだった。そして今週は、戸崎騎手が「ダノン」の馬に騎乗し、マイル王者の座を狙う。

 ダノンスコーピオンは、21年の朝日杯フューチュリティステークス(S)=阪神1600メートル=3着、翌年のNHKマイルC(東京1600メートル)優勝と、有望なマイラーだった。しかし、その後スランプに陥り、2ケタ着順が続いていた。「きっと復活してくれるはず……」。真希バオーはそう願っていた。

 復調の兆しが見えたのは、戸崎騎手との初コンビだった前走京王杯スプリングC(東京1400メートル)。33秒1の上がりで、勝ち馬と0.5秒差の4着。しばらく封印されていた切れ味鋭い走りを久しぶりに見ることができた。陣営は、長いトンネルをようやく抜け出したような気持ちだっただろう。

 NHKマイルCを勝っていることから、得意な舞台であることは証明済み。前走の1400メートルよりもマイルのほうが合っている。東京5週連続GIの締めくくりである安田記念で、大きな夢を見せてほしい。

中嶋真希

 毎日新聞デジタル報道グループ記者。業務の傍ら、学生時代から興味があった競馬を本格的に勉強しようと、2014年、競馬担当の松沢一憲記者に勝手に弟子入り。得意技は、パドックで激走する穴馬を見つけること。皐月賞馬イスラボニータが大好きで、産駒の応援に励んでいる。

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