11日から群馬県高崎市で開かれる体操の全日本選手権は、パリオリンピックの代表選考会を兼ねて行われ、10日は大会の会場で公式練習が行われました。

このうち男子は、去年の世界選手権の個人総合と団体、それに種目別の鉄棒で金メダルを獲得し、日本選手ではただ1人、パリ大会の代表に内定している橋本選手が大会4連覇を目指します。

橋本選手は、パリ大会を見据え平行棒やゆかで演技の難度を上げた構成で臨むということで、10日は、12日の予選の平行棒で新たに組み込む、片手で体を支えながら体をひねる「マクーツ」という技を成功させるなど、安定感のある演技を見せていました。

また、
▽東京大会の団体銀メダルに貢献した萱和磨選手や
▽世界ジュニア選手権の個人総合で金メダルを獲得した若手のホープ、20歳の岡慎之助選手なども練習に臨みました。

このうち萱選手は、冬場に磨いてきたというあん馬で、スピードのある雄大な旋回を見せて調子のよさを伺わせていました。

女子の決勝は4月13日、男子の決勝は14日に行われます。

橋本大輝 “パリ五輪に向けて積み重ねていきたい”

橋本大輝選手は「4連覇ということよりも、試合の内容を重視したい。冬場にしっかり練習を積めたので、去年より自信を持って演技ができている。自分が出せる最高を出して、全日本選手権からパリオリンピックに向けて積み重ねていきたい」と意気込みを話していました。

そして、12日の予選を前に「去年の世界選手権の内容では、パリ大会で勝つのは難しいと思い、演技構成を変えた。力を入れてきた平行棒は予選の1種目目なので、いい演技ができるようにしたい」と話していました。

萱和磨 “平常心でミスなく演技したい”

萱和磨選手は「試合のイメージをしながら器具の感触を確かめたい。選考レースは始まるが、自分はぶれちゃいけないと思うので平常心で臨み、いつもどおりミスなく演技したい」と落ち着いた表情で話しました。

そして、鍵となる種目を聞かれると、「あん馬と跳馬、鉄棒だ。この3種目は、さらに改善できると思っていて、あん馬では旋回の質やスピードなどを意識して冬場に練習を積んできた」と話していました。

宮田笙子 “自分が納得できる演技をしたい”

全日本選手権で初めての優勝を目指すエースの宮田笙子選手は「周りから『オリンピックに選ばれてほしい』と思われるような、自分が納得できる演技をしたい。去年は予選でミスをしているので、怖いところもあるが自分らしく楽しめたらいい」と笑顔で話していました。

また、去年の世界選手権の個人総合で日本勢最高の11位に入った16歳の岸里奈選手は「体は万全の状態でいい練習がつめた。パリ大会に向けた大切な試合なので、自信を持って自分の演技を堂々と見せることを目標にしたい」と話していました。

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