西武の先発左腕隅田の投球には、気迫があふれていた。

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 ボール先行になっても、崩れない。きわどいコースを狙いすぎ、腕が縮こまる姿はこの夜、なかった。「ミスを恐れない。常にチャレンジャーの気持ち」。七回の打席で足がつっても、続投を志願。今季初めて無四球で8回を無失点に抑えた。

 松井監督の休養が発表されたのは26日。指揮官の交代を受け、隅田は言っていた。「選手にも責任が絶対ある。結果で変えないといけない」

 強い思いは他の選手たちも同じだった。

 六回2死一、三塁。この日最大の好機で、蛭間の打球は詰まって三塁方向へ。懸命に走り、一塁に頭から飛び込んだ。内野安打で1点をもぎとった。

 八回2死一、三塁の守備では、三塁側のファウルエリアに飛んだ打球を佐藤龍が懸命に追いかけた。カメラ席に落ちても、つかんだ球を離さなかった。「けがをしてもいいくらいの気持ちだった。もっとがむしゃらにやりたい」

 11年ぶりに指揮を執り、就任2試合目で初勝利を手にした渡辺監督代行は喜びもそこそこに、先を見据える。「(上位を)追いかけていくには、後半にあと1点とらないといけない」

 指揮官の交代をきっかけに、選手たちの責任感や1点への執着心は増した。どん底からの巻き返しに向け、チームは一歩を踏み出した。(平田瑛美)

 渡辺監督代行(西) 就任2戦目で初白星。「みんな勝ちたい気持ちがあるのは本当にわかる。(上位を)追いかけるには後半にあと1点とらないと」

 隅田(西) 8回無失点で3勝目。「(七回の打席で)足がつったんですけど、絶対に投げるぞと。やるしかない、1点を守り切る気持ちだった」

 佐藤龍(西) 八回2死一、三塁でカメラ席に飛び込みながら三邪飛を捕球。「けがをしてもいいくらいの気持ちだった。もっとがむしゃらにやりたい」

 蛭間(西) 「(低迷の)原因は監督というより選手だと思う。情けない気持ちがある。もっと一丸となって今まで以上にやっていかないと勝てない」

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