Jリーグが全60クラブの社会連携活動(通称シャレン)を表彰する第5回「シャレン!アウォーズ」で、地域の課題解決に積極的に挑む「ソーシャルチャレンジャー賞」にJ3のFC今治が選ばれた。愛媛県今治市の本拠地に複合福祉施設をつくり、さまざまな個性を持つ人々が共に活動するインクルーシブ(包括的な)社会を体現するサッカー界初のプロジェクトが高く評価された。
2023年1月に完成した今治の本拠地・アシックス里山スタジアムは、同市の社会福祉法人「来島会」が公募に応じて協力事業者となった。同会はスタジアム用地のうち約800平方メートルで複合福祉施設「コミュニティビレッジきとなる」の建設・運営に当たり、児童生徒向けの放課後等デイサービス▽成人向けの自立訓練(生活訓練)▽就労移行支援のジョブサポート事業――などを行っている。利用者もクラブと連携してホーム試合の設営を手伝うなどしている。
スタジアムが地域の交流拠点となる活動は全国でも広がっているが、さらに進んで複合福祉施設を併設するという初の取り組みが注目され、選考では「障がいがある方々と地域とのつながりを作り、垣根をなくしている」とたたえられた。
FC今治の矢野将文(まさふみ)社長は「活動を認めていただき、たいへんうれしく思う。老若男女も障がいがある人もない人も関係なく、誰もが自分の居場所として集まれる、多様性を認め合う場所を作っていきたい」と誓いを新たにしている。【松倉展人】
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