プロバスケットボールチーム「福井ブローウィンズ」は、B3リーグの年間チャンピオンに輝き、B2昇格をかけた試合では2日間で7000人を動員するなど人気を集めています。福井ブローウィンズの今後について考えます。
  
激闘のプレーオフを勝ち抜き、B3リーグ参戦1年目でB2昇格を手にした福井ブローウィンズ。伊佐ヘッドコーチは会場で「色んな福井の方からプロスポーツが根付かないと言われてきましたが(そんなんことなかった)きょうは4000人程来ている。(今後は)5000人や6000人は絶対来ると思う。素晴らしい県」と話しました。
  
11日、福井市内で開かれた「ファン感謝祭」では約500人の有料会員のファンが選手らと交流しました。ファンは「バスケは屋内スポーツなので天候に左右されないのはありがたい。観客のマナーはすごくいいし、安心して子供と行ける」と話します。また「ブローウィンズの試合を見てバスケの楽しさを知った」という人も。
 
一方で「強いことがたくさんの人を引き付ける魅力。これからも強くないと定着しないと思う」と話すファンもいて「強いというのは何よりも応援するファイトを与えてくれる」とブローウィンズに魅了された理由を話していました。
   
過去には、県内で発足したプロ野球チームが経営難で解散するなど「プロスポーツが根付かない」と言われてきた福井県。しかしブローウィンズが歴史を変えようとしています。一方で、大きな課題もあります。
 
福井市東公園に建設が予定されている福井アリーナは、ブローウインズの本拠地やコンサート会場などとして3年後の完成を目指しています。福井県の杉本知事は、「私たちはブローウィンズとホームアリーナを全力でつくっていく」と話していますが、問題となっているのはその整備費です。
 
総額約105億円のうち、国、県、市に約50億円の行政支援を求めているため、県民からは「アリーナをつくるなんて税金の無駄遣いだ」といった声も出ています。
 
10億円を出資するオーナー企業、オールコネクトの岩井宏太社長は、5月12日に放送された福井テレビの「タイムリー福井」の中で、「(単年度で赤字が出た場合は)民間なので弊社が負担する。民間も行政もみんなで運営していくが、柱が必要なので、赤字が出たら最終的に負担は僕らとなる。当然皆さんの応援は必要」とアリーナ建設の決意を述べました。
 
B2昇格をかけた試合では約4000人を集めた福井ブローウィンズ。本拠地となるアリーナの問題もある中、今後さらに県民に根付いた存在になっていくか、まずはB2で迎える来季が注目されます。
 
アリーナは今後、ブローウィンズにとっては欠かせない施設です。Bリーグは再来年の26年から始まるシーズンで生まれ変わります。ブローウィンズが目指しているのは国内最高峰のB1で、今後「Bプレミア」と名前が変わりますが、参入するには、収容人数5000人以上のアリーナが条件となっています。

アリーナがないと、B1、つまり「Bプレミア」には入れません。ただ、そもそもアリーナをつくるかどうかには賛否両論あります。次のシーズン、B2でブローウィンズがどこまで戦えるのか、地域がどれだけ後押しするようになるのか、アリーナ構想の議論が進むのかがポイントとなります。

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