陸上男子100メートルの日本記録保持者、山縣亮太(31)=セイコー=が16日、オンライン会見を開き、パリ・オリンピック(五輪)の代表選考会を兼ねた6月の日本選手権に出場しないと発表した。痛めている右足の状態が思わしくないためという。

 山縣はパリ五輪の参加標準記録(10秒00)を突破しておらず、世界陸連が定める出場ランキングでも圏外。日本選手権にも出場しないため、リレーも含めて、パリ五輪出場の可能性は事実上なくなった。

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 山縣は会見で、3月ごろ右足に違和感を覚え、しびれなど座骨神経痛のような症状が出ていると説明。「現在まで万全な状態で走ることができていない。ベストパフォーマンスは難しいと判断し、違和感の特定と治療に専念する。喪失感も大きいし、こうした決断をしなければいけないことが残念ではあります」と話した。

 今季は国内初戦となる4月の織田記念に出場。予選で10秒58(向かい風0.4メートル)に終わり、A決勝は棄権した。レース後の取材で右足に違和感があるとし、「いまの状態は正直よくない」と明かしていた。

 山縣は2012年のロンドン五輪から21年の東京五輪まで3大会連続で出場。16年のリオデジャネイロ五輪では男子400メートルリレーで銀メダルを獲得し、東京五輪では日本選手団の主将を務めた。

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