〇ヤクルト5―2DeNA●（13日・横浜スタジアム）
果たして“神様”はこれで目覚めるのか。定位置たる4番から2番に移った、不振のヤクルト・村上宗隆が、12試合目にしてようやく今季初適時打、初打点をマークした。
2点リードの七回1死満塁で、甘く入ってきたカーブを軽打。右前適時打とした。「良い流れで回ってきて追加点が取れて良かったです」と喜んだ。
驚きを持って迎えられた2番起用はコーチ陣の親心による。大松尚逸打撃チーフコーチは「言い方が悪いかもしれないが気分転換というか。本人も苦しいと思う。手助けになれば」と意図を明かした。
当の本人は「チャンスが来たら返せばいいし、4番でやっていることと変わらない。僕は今日はやるべきことはやれたかなと思う」と振り返った。
ただ、まだ本調子ではないのは明らかだ。フルスイングは少なく、四回の中前打も明らかな軽打だった。DeNAもそれを分かっており、七回は2点差とはいえ、外野が前進守備だったのは象徴的だった。
そこをしぶとく内野の間を抜く適時打とした村上が上回ったわけだが、彼は一昨年の3冠王だ。そのバットが生み出す打球が、外野手の頭を越える可能性が少ないと相手が判断したのは示唆に富んでいる。
とはいえ、打てないなりに四球を多く選び出塁率が高かった村上を2番に動かしたことで打線のつながりが大きく改善し、ヤクルトの連敗が3で止まった。あとは、チームとともに村上のバットにも勢いが戻ることに期待したい。【岸本悠】
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