(プロ野球、10日 広島東洋カープ6―3中日ドラゴンズ)

 プロ6年目で初めて4番打者になった夜から、3試合続けて決勝打。広島の小園海斗が、貧打に苦しんできたチームにあって、攻撃のリズムを作り出している。

 同点の五回、2死一、二塁から右前に勝ち越し打を放つ。仲間に向けて一塁上でガッツポーズをした23歳は「つなぐ気持ちでしぶとくいけた」。八回2死満塁では、押し出しの四球を選んだ。

 チームは5日に本拠で零封負け。その時点で、今季28試合目にして無得点は9試合(6敗3分け)を数えた。長打力を期待された新外国人野手2人が開幕直後に故障離脱したこともあるが、得点力不足は深刻な問題だった。

 昨季は開幕直後に極度の不振に陥り、2軍落ちを経験した。春先の成績が悪いイメージを消し去りたいと臨んだ今季、図らずも4番を任された。

 すると、7日の阪神戦で中犠飛を放つと、8日は適時打。「打点はうれしいので続けていきたいけれど、打順は気にしない。やれることをやっていくだけ」

 新井監督からは、特別なことを言われていないという。もともと、長打力より、走攻守のバランスの良さが売りの選手。「気負わずに、毎日こつこつやっていけたらいいと思う」。自然体で打線の中心を担う。

 そんな4番に新井監督は、「本当に勝負強い。得点圏で小園にまわせば、という空気になりつつある」。(上山浩也)

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