プロ野球・巨人

○巨人2―1ヤクルト●(10日・神宮)

 「天敵」から値千金の先取点を奪ったのは、巨人の新しい中軸として輝きを放つ3番・吉川尚輝のバットだった。

 ヤクルトの先発ヤフーレに対し、巨人打線は4月29日にわずか3安打で完封負け。吉川自身も3打数無安打と抑え込まれた。

 一回、簡単に2死を取られ、嫌な雰囲気が漂った直後だった。打席に立った吉川は、3球目のやや内寄りに来たカットボールをうまくバットに乗せた。待望の今季1号ソロ本塁打が右翼席に吸い込まれた。

 「たまたま。(スタンドに入るか分からなくて)全力で走った。(ヤフーレに前回登板で)やられていたので。先制できて良かった」と喜んだ。

 プロ入り8年目を迎えた今季、8番で開幕スタメンを勝ち取った。4月下旬から坂本勇人に代わって3番に座り始めると打率も徐々に上がり、現在は7試合連続安打中だ。4日の阪神戦では延長にサヨナラ適時打を放つなど勝負強さも光る。

 七回には持ち前の堅守も披露。1点差で逃げ切り、阿部慎之助監督が「最高のゲームでした」と自賛する勝利に攻守で貢献した。首位争いを演じるチームに欠かせない戦力として、存在感を日増しに強めている。【川村咲平】

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