ラグビー日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、64歳)が毎日新聞のインタビューに応じ、27日に東大阪市花園ラグビー場で開幕する第104回全国高校ラグビー大会への期待を語った。前回大会で「花園」に足を運ぶなど、次世代の代表を担う高校ラガーマンのプレーに熱視線を送った。ジョーンズHCが持つ若い世代への期待とは。
前回大会を視察
「本当に素晴らしい伝統的な大会。将来が楽しみな素晴らしい選手たちが、高いスキルを披露し合う場になっている」
ジョーンズHCは全国高校大会についての印象を、こう語った。視察した前回の第103回大会、昨年の12月30日はHC就任直前だった。花園ラグビー場を訪れ、茗渓学園(茨城)―日本航空石川などの2回戦を現地で観戦。関係者と時折談笑しながら未来を担う高校ラガーマンの動きを見つめた。
ジョーンズHCと高校ラグビーのつながりは深い。最初に日本代表HCに就任した2012年、当時埼玉・深谷高3年生だったBK(バックス)の山沢拓也選手(現埼玉パナソニックワイルドナイツ)を日本代表候補合宿に呼んだ。
15年ワールドカップ(W杯)イングランド大会では1次リーグで南アフリカに勝利するなど歴史的3勝を挙げ、イングランド代表HCに移った後も、日本の高校生と交流した。
テレビ番組の企画で目黒学院高(東京)を訪れた際には基礎から実戦を想定した練習を指導し、コミュニケーションの大切さを説いた。19年W杯決勝前日にもキャンプ地への恩返しとして、府中西高(東京)を指導した。
掲げる「一貫性持った強化」
今季から2度目となる日本代表HCに就任した。数週間後に開かれた報道陣を対象にした強化方針の説明会では「成長したい、挑戦したいというハングリー精神にあふれた選手が必要」と強調。日本代表のトップチームと大学、高校の各世代の代表チームとが同じイメージで、自らが掲げている「一貫性を持った強化」を進めていくと明かした。若い世代の強化への情熱は変わらない。
全国高校大会について、ジョーンズHCは「正月前後の大会ということで、多くのファンにラグビーを見てもらえる。ラグビーというスポーツが日本の社会でどれだけ根付いてきたかも感じることができる」と語った。
さらにプレーの質や強度といった技術や指導法にも触れ、「いかにいいラグビーを見せていくかが常に私たちの目標。いかにより良いコーチング、トレーニングをしていくか。それを促していくということが大事になる」と話した。【角田直哉】
エディー・ジョーンズ
1960年生まれ。オーストラリア出身。96年に東海大と日本代表のコーチに就任し、日本で本格的な指導を開始した。2001年に母国の代表監督となり、03年のワールドカップ(W杯)で準優勝。12年には日本代表HCに就き、15年W杯イングランド大会では南アフリカを破るなど日本を歴史的3勝に導いた。15年12月からイングランド代表を率い、19年W杯では準優勝。オーストラリア監督を経て、24年1月1日付で2度目の日本代表HCに就いた。母は米国出身の日系2世。妻は日本人。
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