京都市で22日に開催された男子第75回、女子第36回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催、SGホールディングス特別協賛)。男子は佐久長聖、女子は長野東が1位でフィニッシュし、長野県勢として初の男女同時優勝を決めた。
2年連続4回目の優勝を果たした男子の佐久長聖の合言葉は「最速よりも最強のチームを」。圧倒的な速さを発揮した前年のチームとは違い、競り合っての連覇達成。浜口大和主将(3年)は「強さを証明できた」と胸を張った。
2時間1分0秒の大会記録で優勝した前年のチームは「エース格」と評価される5000メートル13分台の選手を6人そろえ、高見沢勝監督も「力が違った」と言うほどだった。
今年のチームは当初、昨年もメンバーだった浜口主将、佐々木哲選手(3年)を「別格」として、練習でも一線を引くようなところがあったという。浜口主将は「緩い雰囲気があった」と振り返る。
それが「夏の終わりごろに変わった」。8月はU20世界選手権(ペルー)出場で、浜口主将と佐々木選手が不在。石川浩輝選手(3年)は「2人に頼り切るチームではダメ。全員で勝たないといけない」と感じたという。2人が復帰してからの練習では可能な限りついていくようにした。他の選手も同様に練習から踏ん張り、その成果が出て9月末の記録会では石川選手と松山優太選手(3年)が13分台に突入。力のある選手がチームを活性化する、相乗効果が生まれた。
そんなチームメートへの信頼を、浜口主将は都大路で示した。エース区間の1区、集団を引っ張る八千代松陰(千葉)の鈴木琉胤(るい)選手(3年)のタイムが「速過ぎる」と判断し、ついていかずに39秒差で中継。レースを通して混戦になったが、6区の岸端(きしばた)悠友(ゆうと)選手(3年)、7区の石川選手の連続区間賞で抜け出して優勝をつかんだ。浜口主将は「頼りになるチームメートがいたおかげで連覇できた」と誇らしげに語った。【鈴木英世】
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