試合形式の稽古で技を繰り出すカセン・メザーさん(中央)=千葉県勝浦市新官の国際武道大で2024年12月5日午後5時半、曽根田和久撮影
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 仙台市太白区のカメイアリーナ仙台で14、15両日に開催される「第18回全日本学生剣道オープン大会」(全日本学生剣道連盟主催、毎日新聞社など後援、NAX JAPAN、JPロジスティクス協賛)は、剣の道を志す留学生や海外の学生剣士にも門戸を開いている。剣道の本場・日本に修練の場所を求めて海を渡った選手たちはオープン大会での勝利を目標に日々研さんを続けている。【曽根田和久、橋本陵汰】

 オープン大会は1999年の第1回大会から「普及・発展・充実」を軸に据え、「予選なしのオープンスタイル」として実施されている。昨年開催された第17回大会からは、海外の大学からの参加も受け入れるようになり、今大会は、米国やカナダ、ハンガリー、韓国、香港、マカオから計18選手がエントリーする。今大会を主管する東北学生剣道連盟の柴田良孝会長は「剣道の発展のためにも、海外選手の出場はよい傾向。さらに増えてほしい」と期待する。

試合形式の稽古を終えた国際武道大の3人の留学生たち=千葉県勝浦市新官の国際武道大で2024年12月5日午後5時33分、曽根田和久撮影
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目標は「美しいまっすぐな剣道」

 出場選手の中には国内の大学で学ぶ留学生もいる。国際武道大学(千葉県勝浦市)からエントリーしたのは、カセン・メザーさん(31)=カナダ▽アスケ・ニールセンさん(21)=デンマーク▽パリス・ヘナーさん(23)=スイス――だ。剣道部監督の岩切公治教授は「剣道を学ぶために海外からやってきているだけに、本当に一生懸命だ」と3人の稽古(けいこ)を見守る。

 いずれも二段のメザーさんとニールセンさんは個人戦の「男子二段以下の部」、ヘナーさんは団体戦の「男子三段以上の部」に挑む。

 メザーさんは勤めていた会社を辞め、昨春から国際武道大が実施する1年間の留学プログラムに参加。今春からは学部生として入学し、一般学生と同じカリキュラムをこなす。

 元々はフェンシングをやっていたが、日本のアニメを見て剣道に興味を持ち、モントリオールにある剣道場の門をたたいた。20歳前後の選手がほとんどの学生剣道に30代で挑んでいるが、「剣道は奥が深い。人生経験を重ねているからこそ得られる技術もある」。目標は「優勝」と意欲も高い。

 「日本で学んだ、美しいまっすぐな剣道を試合ではみせたい」というニールセンさんは、約4年の剣歴ながら、今夏にイタリア・ミラノで開かれた世界選手権にデンマーク代表として出場した。ヘナーさんもヨーロッパ各地の大会で出場歴があり、今月1日には、四段に見事合格した。日ごろ感じているのは、「日本の剣道は、心が落ち着いた状態で行われている」ということ。「攻めで相手の動きをコントロールし、技を出したい」と試合に向けた豊富を語った。

東京外国語大剣道部のニーナ・ズンビュールさん。全日本学生剣道オープン大会に向けて稽古に励んでいる=東京都府中市の東京外国語大で2024年12月5日、高橋将平撮影
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海外選手同士の交流「楽しみ」

 東京外国語大(東京都府中市)からも、ニーナ・ズンビュールさん(20)=スイス=が「女子二段以下の部」、朴民舒(パク・ミンソ)さん(23)=韓国=が「男子二段以下の部」に出場する。

 ズンビュールさんは今年4月、日本文化を学ぶため東京外国語大に入学し、初めて剣道に触れた。大会では試合とともに、他の海外選手とのコミュニケーションが楽しみで、「なぜ剣道を始めたのか。(剣道を通じた)体験を聞きたい」と話す。朴さんも入学後に剣道部の門をたたいた。兵役で2年間のブランクはあったが、復学後に再び竹刀を握った。「(剣道は)自分との戦いでもある」と魅力を語り、大会を心待ちにしていた。

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