九州文化塾でこれまでの野球人生や出会いについて語る松田さん=福岡市中央区で2024年12月12日午後1時30分、山崎あずさ撮影
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 第26期九州文化塾(毎日新聞社、RKB毎日放送主催)の第9回講演が12日、福岡市中央区のアクロス福岡であった。元プロ野球選手の松田宣浩(のぶひろ)さん(41)が「熱男(あつお)のことば~野球界最高のモチベーターによる最強の思考法~」と題して、これまでの野球人生を語った。

 松田さんは、小学2年から野球を始めた。同じく野球をしていた双子の兄は「一歩前の存在だった」と言い、兄に追いつこうと夜にバッティング練習をするなど努力を重ねた。大学卒業後に福岡ソフトバンクホークスへの入団を選んだのは「行ったことがない街だったから」と話す。当時のコーチに「息の長い選手になりなさい」と言われ、40歳まで現役で続けることを目標に掲げていたという。

 現役時代に出会った、ソフトバンクの王貞治会長や監督だった秋山幸二さん、工藤公康さんらとのエピソードも披露。2012年に同球団からフリーエージェント(FA)で米大リーグに挑戦した川崎宗則さんに「来年のムードメーカーを任せた」と言われ、自ら声を出してプレーヤーとしての存在を示すように心がけたという。15年の球団スローガンが「熱男」だったことから自身の代名詞となったパフォーマンスを始め、「選手会長としてチームの先頭に立つためにも、ファンのみなさんと戦えるよう盛り上げた」と振り返った。

 ムードメーカーである一方で、当時は「ドームに入った瞬間から出るまで演じきっていた」という。「ホームランを打っても、家ではどこにいるか分からん(存在)」と意外な一面を語り、笑いを誘った。

 40歳までの現役を全うした経験から「大きい目標を立てた時に、逆算して小さな目標を徐々に積み重ねれば大きな目標に近づけられる」と力を込めた。さらに「究極の目標を達成して、悔いなく終えることができた。引退してから感謝の気持ちをもって、自分一人ではないと気付いた」と語った。

 講演の終盤には来場者3人と壇上でキャッチボールにも挑み、熱男ポーズを決めて講演を締めくくった。【山崎あずさ】

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