目次

  • 現役ドラフトのルール

  • 現役ドラフトで移籍後 新天地で活躍した選手も

「現役ドラフト」は出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させることで新たな活躍の場を与えようとおととし導入された制度で、各球団がリストアップした現役選手をほかの球団が指名することで移籍できるようにします。

この制度によって新天地で活躍する選手も生まれていて、初めて導入されたおととし、ソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎投手はこれまで2年連続でふた桁勝利を挙げているほか、去年、ソフトバンクから日本ハムに移籍した外野手の水谷瞬選手は今シーズン、交流戦で歴代最高となる打率4割3分8厘を記録してMVP=最優秀選手に選ばれるなどチームの躍進に貢献しました。

現役ドラフトは非公開で9日午後1時からオンラインで行われ、各球団は来シーズン契約を結ぶ見込みの保留選手名簿の中から▽外国人選手、▽複数年契約を結んでいる選手、▽育成選手などを除いて2人以上リストアップし、そのリストをもとに指名する仕組みとなっています。

そして終了後、移籍が成立した選手のみ公表される予定です。

現役ドラフトのルール

各球団は来シーズン契約を結ぶ見込みの「保留選手名簿」の中から現役ドラフトにかける選手を2人以上リストアップします。
リストアップの対象外となる選手は
▽外国人選手
▽複数年契約を結んでいる選手
▽FA=フリーエージェントの権利を持っている選手と過去に行使した選手
▽育成選手です。

また、年俸5000万円以上の選手は対象外ですが、1人に限って5000万円以上1億円未満の選手をリストアップできて、その場合は5000万円未満の選手を追加し3人以上をリストアップしなければいけません。
指名の流れ
リストアップされた選手は事前にNPB=日本野球機構を通じてほかの球団に示され、当日、各球団はリストをもとに獲得を希望する選手を現役ドラフト会議の議長に伝えます。

それを集計し、他球団からの指名が1番多かった選手の所属する球団が最初に指名できます。

そして、選手を指名された球団は次に指名する権利を得られる仕組みとなっていて、原則としてこの流れを繰り返します。

新人のドラフト会議のように入札形式は取られないため、指名選手は競合しません

どの球団も必ず1人が出て、1人が入る仕組みになっています。

なお2巡目は希望した球団だけで行われ、1巡目と逆の順番で進みます。

初の開催となったおととしと2回目の去年はいずれも1巡目のみ行われ、2巡目は行われませんでした。

現役ドラフトで移籍後 新天地で活躍した選手も

現役ドラフトで移籍後に新天地で活躍する選手も続々と生まれています。

阪神 大竹耕太郎投手

おととしの現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎投手は、移籍までの2年、勝ち星がありませんでしたが、昨シーズン自己最多の12勝を挙げてチームの日本一に大きく貢献したほか、今シーズンも11勝と2年連続のふた桁勝利をマークしました。

中日 細川成也選手

おととしの現役ドラフトでDeNAから中日に移籍した外野手の細川成也選手は、プロ入りから移籍前まで6年間でホームランの数は通算6本でしたが、昨シーズン、チームトップの24本を打ちました。

今シーズンは打率2割9分2厘、ホームラン23本、67打点の成績で打線を引っ張り、現役ドラフトで移籍した選手では初めてとなるベストナインにも選ばれました。

日本ハム 水谷瞬選手

去年の現役ドラフトでソフトバンクから日本ハムに移籍した外野手の水谷瞬選手はプロ6年目となった今シーズン、公式戦デビューを果たしました。

97試合に出場し、打率2割8分7厘、ホームラン9本、39打点をマークし、交流戦では、歴代最高となる打率4割3分8厘を記録して、MVP=最優秀選手に選ばれました。

そしてチームの2位躍進に貢献しただけでなく、4本の先頭打者ホームランを打ち、記憶にも残る活躍を見せました。

DeNA 佐々木千隼投手

ロッテにドラフト1位で入団し去年の現役ドラフトでDeNAに移籍した佐々木千隼投手は、プロ7年目の昨シーズン2試合の登板でしたが、移籍1年目の今シーズン、DeNAではリリーフとして28試合に登板し防御率1.95と安定したピッチングをみせました。

また、クライマックスシリーズや日本シリーズでも好投しチームの26年ぶりの日本一に貢献しました。

一方で、移籍後も出場機会を得られずに戦力外になるケースもあり、明暗が大きく分かれる結果になっています。

過去2回の現役ドラフトで移籍した選手の一覧

第2回 2023年実施

()内は移籍前の所属球団

阪神 漆原大晟投手(オリックス)
広島 内間拓馬投手(楽天)
DeNA 佐々木千隼投手(ロッテ)
巨人 馬場皐輔投手(阪神)
ヤクルト 北村拓己選手(巨人)
中日 梅野雄吾投手(ヤクルト)
オリックス 鈴木博志投手(中日)
ロッテ 愛斗選手(西武)
ソフトバンク 長谷川威展投手(日本ハム)
楽天 櫻井周斗投手(DeNA)
西武 中村祐太投手(広島)
日本ハム 水谷瞬選手(ソフトバンク)

第1回 2022年実施

()内は移籍前の所属球団

オリックス 渡邉大樹選手(ヤクルト)
ソフトバンク 古川侑利投手(日本ハム)
西武 陽川尚将選手(阪神)
楽天 正隨優弥選手(広島)
ロッテ 大下誠一郎選手(オリックス)
日本ハム 松岡洸希投手(西武)
ヤクルト 成田翔投手(ロッテ)
DeNA 笠原祥太郎投手(中日)
阪神 大竹耕太郎投手(ソフトバンク)
巨人 オコエ瑠偉選手(楽天)
広島 戸根千明投手(巨人)
中日 細川成也選手(DeNA)

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