【鹿島-町田】鹿島に敗れ肩を落とす町田の選手たち=茨城県鹿嶋市の県立カシマサッカースタジアムで2024年12月8日、渡部直樹撮影

○鹿島アントラーズ3―1FC町田ゼルビア●(8日・茨城県立カシマサッカースタジアム)

 史上初の「J1初昇格で初優勝」はならなかったが、町田は大きな存在感を示した。

 逆転優勝には少なくとも勝利が必須であるせいか、この日の町田はどこか前のめりだった。前半5分。鹿島の自陣から立て続けに長い縦パスを通され、高く位置取っていたDFラインの背後を鹿島のFW師岡柊生に突かれて先制を許した。その11分後にも、鹿島の樋口雄太に再びDFの背後に抜け出されて追加点を奪われた。

【鹿島-町田】後半、ピッチを見つめる町田の黒田剛監督=茨城県鹿嶋市の県立カシマサッカースタジアムで2024年12月8日、渡部直樹撮影

 黒田剛監督は「立ち上がりが全てだった。難しいゲームの中でも平常心を保ち、やるべきことをやっていくためには、まだまだ経験が足りない」と反省した。前半23分に左CKから下田北斗のゴールで1点を返したが、その後に突き放された。

 それでも快挙を成し遂げたのは間違いない。J1初昇格での3位は、2012年の鳥栖の5位を上回って過去最高。さらに来季はアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)に出場する可能性もある。主将の昌子源は「歴史的なチャレンジに向けて皆が一丸となった結果。胸を張って町田に帰りたい」と晴れやかな表情で語った。

 黒田監督は「心技体全てにおいてもう一回り成長しないと、J1という過酷なリーグで常に優勝争いをしていくのは難しい。もっと強い町田として、来年また挑戦したい」。自らに言い聞かせるような言葉で、躍進のシーズンを締めくくった。【高野裕士】

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