フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ上位6組によって争うGPファイナルは6日、フランス・グルノーブルでペアフリーが行われ、前日のショートプログラム(SP)で2位につけた日本の「りくりゅう」こと三浦璃来選手、木原龍一選手組(木下グループ)は130・44点、合計206・71点で2位に終わり、2季ぶりのファイナル王者はならなかった。
木原選手の故障の影響で昨季後半から競技に復帰後、4大陸選手権、世界選手権に続き、主要国際大会となるファイナルで3大会連続となる銀メダル。だが、常に挑戦者として過去の自分たちの記録を上回ることを目指す2人だからこそ、自然と求めるものも高くなる。取材エリアに現れた木原選手はこう口にした。
「表彰台はうれしく思いますけど、内容的にははっきり言って話しにならないレベルだった」
そろって跳ぶ3連続ジャンプで三浦選手の冒頭からの2本の回転が抜けると、スロージャンプ2本もいずれも着氷が乱れるなどらしくない滑りが続いた。自己ベストを13点以上下回る結果となり、「プログラムの中でどうしても焦ってしまうところがある。ミスが続いて、2人のタイミングがずれた」と木原選手は分析した。取材後に行われた表彰式でも表情を硬くする場面が多かった。
それでもジャンプ以外ではツイストリフトを除いてレベル4をしっかりと獲得。「少しだけ立て直すことができた」と三浦選手が言えば、木原選手も「130点にとどまったので、そこは底辺が上がってきた証拠かな」と収穫が無かったわけではない。
大会後は拠点のカナダではなく日本に帰国し、約10日後の全日本選手権に備える。「まず今季前半戦全ての試合に出られたことをうれしく思う。後半戦もこのまま良い練習を続けて、良い結果を残せるように頑張りたい」と三浦選手。苦しんだ故障から戦いの舞台に戻ることができたという喜びに浸る期間は終わった。わき上がってきた悔しさがまた「りくりゅう」の2人を強くする。【グルノーブル倉沢仁志】
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