【関学大-法大】第3クオーター、タックルする法大のDL山田晋義(中央)=東京・スピアーズえどりくフィールドで2024年11月30日、前田梨里子撮影

全日本大学アメリカンフットボール選手権準決勝(30日、スピアーズえどりくフィールド)

○法大17(3)―17(0)関学大●(かっこ内は延長タイブレーク)

 毎日甲子園ボウル史上最多6連覇中の常勝軍団が、その舞台にたどり着く前に敗れた。第4クオーター終了間際に追いついて迎えた、延長タイブレーク。3点を追う後攻の関学大が狙った20ヤード超のフィールドゴールが外れると、選手たちはフィールドにぼうぜんと立ち尽くした。エースRBの伊丹翔栄(4年)は試合後数十分がたっても「まだ現実を受け止められない……」と目を潤ませた。

 序盤から持ち味のランが機能しなかった。それでも、法大の守備自体は想定通りで、オフェンス陣に焦りはなかった。伊丹も「1クオーターが(通常のリーグ戦より3分長い)15分なので、勝負はもっと先だと思っていた」と振り返る。

 だが、細かなミスや度重なる反則で流れをつかみきれず、法大が次第に勢いづいていった。「法政の守備は全員が生き生きとしていた」(伊丹)という相手の気迫に加え、慣れない関東の会場での大声援にものまれ、攻撃の獲得ヤードは相手を下回った。「関西ではない空気感。ここまで場にのまれるのは正直、想定できていなかった」と唇をかむ。

 第4クオーター残り47秒で7点差を追いつくなど意地は見せたが、最後までリズムに乗りきれなかった。延長に入る前の反則は法大の0に対して関学大は8で、罰退は53ヤードに上った。大村和輝監督は「自滅した試合だった。我々の力不足」と淡々と振り返った。

 2018年から続いた毎日甲子園ボウルの連覇は6でストップ。主将のLB永井励(4年)は「申し訳ない気持ちでいっぱい」と涙が止まらなかった。

 今季の開幕前には年代別の代表に選ばれた選手が海外遠征中の規律違反で日本協会から処分を受けるなど、トラブルに見舞われた。永井は「今いる選手がお互いを信じ合って一試合一試合乗り越えてきた。これまで苦しいこともたくさんあったが、負けることが一番つらい。後輩たちには今日のこの景色を忘れないでほしい」とエールを送った。【玉井滉大】

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