【日本製鉄かずさマジック-日本製鉄東海REX】四回裏日本製鉄東海REX無死、古川竣選手が左翼席に勝ち越しの本塁打を放ち、ダイヤモンドを回る=岐阜市の長良川球場で2024年5月5日午後3時23分、黒詰拓也撮影

社会人野球第76回JABAベーブルース杯決勝(5日・長良川球場)

○日本製鉄東海REX5―1日本製鉄かずさマジック●

 「守備の人」の打棒が、大会初優勝と3大会ぶりの日本選手権出場に大きく貢献した。

 同点で迎えた四回裏。先頭で回ってきた日本製鉄東海REXの古川竣選手は「四死球でも何でもいいから塁に出る」と打席に入った。高めに浮いたスライダーを見逃さず振り抜くと、打球は左翼席へ。勝ち越しに盛り上がるベンチとは対照的に、「まだ試合は続いている」と控えめな表情でダイヤモンドを回った。

初優勝を決め、マウンドに集まって喜ぶ日本製鉄東海REXの選手たち=岐阜市の長良川球場で2024年5月5日午後5時11分、黒詰拓也撮影

 守備力と小技を買われ、今大会は2番・二塁で全5試合で先発出場を続けた。決勝まで2安打にとどまったものの、基本に忠実な守りで投手をもり立て、決勝でも六回に一、二塁間に抜けそうな打球を好捕し、相手の反撃の芽を摘んだ。優勝を引き寄せる1発に鈴木啓友監督も「最近長打は見ていなかったので、大きく勢いづけてくれた」とたたえた。

 2022年、23年と2年連続で都市対抗、日本選手権の出場を逃しているチームは今季、「凡事徹底」を掲げる。23日には都市対抗東海地区2次予選が開幕。「積極性のあるプレーや全力疾走など、勝つためにやるべきことを怠らない」。優勝しても浮かれず、次を見据えた。【黒詰拓也】

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