社会人野球第76回JABAベーブルース杯決勝(5日・長良川球場)
○日本製鉄東海REX5―1日本製鉄かずさマジック●
「守備の人」の打棒が、大会初優勝と3大会ぶりの日本選手権出場に大きく貢献した。
同点で迎えた四回裏。先頭で回ってきた日本製鉄東海REXの古川竣選手は「四死球でも何でもいいから塁に出る」と打席に入った。高めに浮いたスライダーを見逃さず振り抜くと、打球は左翼席へ。勝ち越しに盛り上がるベンチとは対照的に、「まだ試合は続いている」と控えめな表情でダイヤモンドを回った。
守備力と小技を買われ、今大会は2番・二塁で全5試合で先発出場を続けた。決勝まで2安打にとどまったものの、基本に忠実な守りで投手をもり立て、決勝でも六回に一、二塁間に抜けそうな打球を好捕し、相手の反撃の芽を摘んだ。優勝を引き寄せる1発に鈴木啓友監督も「最近長打は見ていなかったので、大きく勢いづけてくれた」とたたえた。
2022年、23年と2年連続で都市対抗、日本選手権の出場を逃しているチームは今季、「凡事徹底」を掲げる。23日には都市対抗東海地区2次予選が開幕。「積極性のあるプレーや全力疾走など、勝つためにやるべきことを怠らない」。優勝しても浮かれず、次を見据えた。【黒詰拓也】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。