○台湾4―0日本●(24日・東京ドーム)
「勝利」と「育成」の両立を目指した「侍ジャパン」が最後につまずいた。決勝で台湾に敗れて連覇の目標は果たせず、国際大会の連勝も27で止まった。
誤算は、前夜は同じ台湾を相手に10安打9得点と活発だった打線の沈黙だった。相手の先発左腕に150キロを超える直球で押し込まれ、4回1安打に封じられる。救援陣も攻略できないまま、4安打無得点に終わった。
4点を奪われた直後の五回には2死一、二塁の好機を作った。だが、21日の米国戦で2本塁打7打点と大暴れした小園海斗(広島)は直球にバットを折られ、一ゴロに倒れた。
2026年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)まで指揮を執る予定の井端弘和監督は今回、森下翔太(阪神)を4番に抜てきするなど、国内若手のみのフレッシュな顔ぶれで挑んだ。大会中は一塁手で出場した清宮幸太郎(日本ハム)が味方投手のけん制球を後逸し、走力が自慢の五十幡亮汰(日本ハム)も相手のけん制球につり出されて盗塁死するなど、失敗も散見された。
一方、若いチームは勢いに乗ると、集中打で得点を重ねる場面が何度も生まれた。初代表だった坂倉将吾(広島)は「みんな明るく元気。一戦ごとに、一丸で勝つことに執着心が生まれてきた」と手応えを口にした。
井端監督は「(台湾投手陣は球に)力があった。負けたのは私の責任」。最大のミッションである「勝利」を追求する上で、最後に課題が垣間見えた大会だった。【川村咲平】
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